私のすてきな奈良の道
『道-私のすてきな道』
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 地上にはもともと道はなかった。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。
 この魯迅の『故郷』の中の言葉がエッセイ「私のすてきな道」のスタートでした・・・・・

わたしのすてきな奈良の道
 奈良町の庚申堂界隈からしもみかど、もちいどの、東向の商店街を通って近鉄奈良駅までの道。
 私が小学生の頃、よく通勤の父を駅まで見送りに、この道を一緒に通ったものでした。早朝の何時にもまして静かな奈良町に、父の靴音と私の自転車のペダル音だけが鳴り響く中、普段のたわいもない会話がとても楽しく思えたものでした。
 奈良町を抜けると開店前の商店街。自転車が勢いよく走り抜け、歩行者も早足で通り抜ける、昼間とは違った光景をおもしろく見ていたのを覚えています。
 駅で父を見送り、お駄賃に買ってもらったお菓子を握りしめ、私も勢いよく商店街を帰って行くのでした。
奈良市 井上哲也
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