私のすてきな奈良の道
『道-私のすてきな道』
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 地上にはもともと道はなかった。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。
 この魯迅の『故郷』の中の言葉がエッセイ「私のすてきな道」のスタートでした・・・・・

わたしのすてきな奈良の道

 3年来の郡界橋の架け替え工事がやっと終わって、佐保川の堤防道を歩くことができるようになった。
  西に矢田丘陵、東に青垣の山並みを一望にできる小高い道は太陽を遮るものがなく、秋から春に限られる散歩道だ。風が肌を刺すころになると川面を遊泳するカルガモの群れが心を癒してくれるし、春になれば群生する菜の花の香がどこまでも続く。また杉橋を経て、寿橋まで足を延ばせば、堤防の斜面でツクシ摘みができるのも春の楽しみのひとつである。
  起点は郡界橋の袂にある「きこく地蔵」。その昔、戦や出稼ぎのために地方へ行った父親や息子の無事を祈って、残された家族が朝な夕なに手を合わせたという。私も「今日も無事に歩けますように」と手を合わせて歩き出す、そんな年齢になってしまった。

大和郡山市 和田はじめ
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