道からはじまるストーリー

第45話 「孫たちといく道」

2006.10.13

 夏休み最後の土曜日。主人の快気祝を、孫のいる香芝の家へ届けに行った。パパは剣道の特練中で毎日忙しい。ここぞとばかり、橿原のジイジに3人の孫が「ねぇ、プールのある温泉に連れて行ってよ」とねだった。それは大宇陀温泉あきののゆのことだ。

 娘が元気なころからよく連れて行った。でも、3年前に亡くなり、子ども心に淋しさは隠せないようだ。

 最初は恐がっていた孫たちが、スイミングへ通い出してゴーグルを付けてもぐりもできるようになり、表彰状も飾ってあった。

 娘が生きていたらどんなに喜んでいたであろう。

 「さぁ行くぞ」。子どもたちはおおはしゃぎ。桜井市から大宇陀に入り、アップダウンの道。
  「さぁジェットコースターに入るぞ」。温泉までのドライブコースはスリルがあって、子どもたちは気に入っている。「きゃっ、きゃっ」大喜びである。

 ジイジと3人、プールでのお守り。でも娘と一緒だったころより、4年生、2年生、幼稚園年少とそれぞれ成長している。
  上2人は自分で泳ぐだろう。一番下の子だけを見ておけばいい。でも病み上がり。さすがに主人は疲れたようだ。

 夜7時過ぎ、孫より電話があり、「バアバあのな。ゴーグル忘れた。明日、学校でいるねん」と悲そうな声。あきののゆへ問い合わせたら、落とし物で預かっていてくれていた。「安心しなさい。ジイジが取りに行くから」。

 また暗い夜道、アップダウンの道をもう一度ゴーグルを受け取りに行き、香芝の家へ届けに行った。
  まったくお騒がせな孫たちある。

橿原市 堀江ハマ子 61歳

写真

前の記事へ 一覧表ページへ戻る 次の記事へ
『道-私のすてきな道』
好評発売中!

 地上にはもともと道はなかった。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。
 この魯迅の『故郷』の中の言葉がエッセイ「私のすてきな道」のスタートでした・・・・・

わたしのすてきな奈良の道





Web版リビングダイヤル 【お知らせ】 買います 広告掲載案内


トップページ会社概要広告の掲載サーチ登録案内事業紹介ご利用の注意事項サイトマップお問合せ


当ホームページが提供する情報・画像を、権利者の許可なく複製、転用、販売することを固く禁じます。