
短冊に願い事たくし 年に一度の七夕の夜
2007.6.22掲載
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7月7日は七夕。織姫と彦星が一年に一度だけ出会えるという夜である。人々は願い事を書いた短冊を笹につるし、夜空に瞬く星に願い事をする。県内に七夕祭りの発祥ではないかと言われる神社があると知り、興味を持って訪ねた。 その神社は葛城市太田の小字が七夕という地域。葛城市から大阪まで続く南阪奈道路の側道を上がった所にある。左手に整備された段々畑が見えると、その奥に鳥居があった。畑には葛城市の名産である菊などが植えられている。農作業をしている人に尋ねると、間違いなくその鳥居は棚機神社であるとのこと。畑の間を通らせてもらい、神社までたどり着いた。 |
![]() 杉の根元にも小さな鳥居が置かれている |
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「棚機宮」と書かれた鳥居をくぐると2本の杉の大木や古い祠、石の灯篭がある。境内は静かで、下に南阪奈道路を走る車の音が聞こえるが、ほかに聞こえるのは鳥の鳴き声ぐらいである。境内から後ろを振り向けば、鳥居の向こうには奈良盆地が一望できた。 聞くところによると、戦前まで行われていた祭りが、戦後はしばらく途絶えていたが、農地整備をきっかけに20年ほど前から地元で保存会を作り、2カ月に1回神社に集まって整備を続けているという。6年前には大きく祭りを行ったが、子どもの減少などもあり継続は難しかったようだ。「細々とでも祭りを続けていきたい」と保存会会長の西川甚衛さん(80)は話す。 |
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棚機とは糸を織る機械のこと。葛城の地は古墳時代には渡来人が多く住んだ地域であり、中国から伝わったとされる当時で最新式のこの機械も、この地に伝わり広まっていったのかもしれない。 麓の當麻寺には中将姫が一晩で織り上げたという曼荼羅があり、石光寺には曼荼羅を織るために中将姫が蓮の茎から糸を採り、それを水に浸すと5色に染まったという伝説が残っている。これらの話が真実かどうかはともかく、古くからこの地域が糸や織物が深いつながりを持っていたことは確かなのだろう。 雨が降れば年に一度の逢瀬も叶わないという織姫と彦星。今年は会うことができるだろうか。棚機神社では今年も地元の人たちによって、祭りが行われ、願いをこめた短冊がつるされることだろう。 (久) |
![]() 南阪奈道路の向こうに見える大和平野 |
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