スニーカーにはきかえて

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南明寺・お藤の井戸(奈良市・柳生)

ロマンあふれる柳生の里を訪ねて

2003.6.27掲載

国道309号線を柳生に向かい阪原町を目指す。阪原のバス停手前から旧道に入り集落の中へ。周囲はのどかな田園が広がり道端にちらほら咲く野の花たちがほほえましい。

そんな景色を楽しみながら道成りに歩いていくと、南明寺に到着。鎌倉時代に建立されたお寺で現在は本堂だけが残っている。住職不在だそうで、本堂拝観はできないが、境内に入ることは可能。どっしりとした力強い感じのする本堂の他にも十三重石塔や宝篋印塔(ほうきょういんとう)など見事なものも。本堂には藤原様式の薬師如来坐像、釈迦如来坐像、阿弥陀如来坐像が安置され、重要文化財に指定されている。当時は大きなお寺だったのだろう。中を見ることができないのが残念だが、ひと休みするのにちょうど良い。

南明寺
どっしりした構えの南明寺
お藤の井戸
伝説の「お藤の井戸」

一息入れたら南明寺から歩いてほんの5分ほどのお藤の井戸へ。畑の中にぽつんとある井戸には、当時のシンデレラストーリーがある。

ここは大柳生と柳生を結ぶ旧道。ある日、近くに住むお藤は、いつものようにせっせと洗濯をしておりました。そこへたまたま、柳生の城主であった、但馬守宗矩がこの井戸の付近を通りかかりました。但馬様はふと、お藤に「桶の中の波はいくつあるか」という問いを投げかけました。するとお藤、「お殿さんがここまで来られた馬の歩数はいくつ?」と訊ね返しました。但馬様はその器量の良さと才気を見初めお藤を妻と迎えたそうな。

今も里歌に「仕事せえでも器量さえよけりゃ、お藤但馬の娘になる」と残されている。現代語に直すと「働かなくても、顔が良ければ、玉の輿」といったところ。里の人々もびっくりするやら、うらやましいやらでこのような歌にまでしたのかも知れない。お殿様はお藤を一目ぼれし、つい声をかけたのか、それともトンチ問答でお藤の頭の良さに感心したのか、それともその両方なのかはお殿様の心の中にしまわれたままなのだろう。しかし、お藤とお殿様の恋が始まったロマンティックな井戸であることに間違いない。今も井戸には水がたまっている。遠くから里歌を歌う子どもたちの声も聞こえてきそうだ。(と)


地図
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