スニーカーにはきかえて

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尻ひやし地蔵 (桜井市笠)

ユーモラスな名前に、思わず惹かれて

2004.7.30掲載

山に抱かれたような景色のなか、笠山荒神さんにお参りする途中にあるという「尻ひやし地蔵」を訪ねてみた。

変わった名前で、なぜこんな名前なのか不思議に思い、とりあえず探しに行ってみた。巻向方面から、笠山荒神の裏参道の鳥居下に着き、この近くかと思って、ウロウロ…。ところが見つからず、JAならけん笠支店の人に尋ねたところ、行き過ぎと分かり、戻ってみた。結局、鳥居のところから約500m戻った道路際に見つけることができた。

「尻ひやし地蔵」の看板に書かれた、「冷え性おねしょに霊験」の文字に、なるほどと思いつつも、やはりなぜ「尻ひやし」なのかが、今ひとつ分からない。そこで、生まれたときから笠に住み、この辺りのことには詳しい、細川甫さん(90歳)に聞いてみた。

尻ひやし地蔵
巻向から向かうと右側にある。
周囲は気持ちのいい景色だ

「後ろの山から湧き出た水で、お地蔵さんのお尻が浸かっているから、尻ひやしと言うんや。(細川さんが)子どもの頃は、寝しょんべんをする子は、みんな親に連れてこられたもんだ」と話す。

今は水道用に水路が通っているので、お尻が浸かるほどではないが、お地蔵さんの足元が少し窪んでいる。前は、ここに水が溜まっていたのだろうか。

「昔は荒神さんにお参りに来る人たちが、ここで顔を洗ったり、体をきれいにしていた。少し前は、竹でできた樋(とい)が通っていて、お地蔵さんのお尻を通った水が飲めたもの」と話す。まるで、代わりにおねしょや冷え性になってくれているようだ。この山の水で育った細川さんは、今までに医者にかかる病気になったことはないと話し、今でも単車に乗って、毎日畑や田んぼに出ている。

見落としがちな道の途中ではあるが、もっと昔、車などない時代に、歩いて荒神さんを目指した人たちには、きっとオアシスのような場所ではなかっただろうか。思いがけず出会った「尻ひやし地蔵」さん。まだ(もう?)、おねしょには悩まされてはいないが、冷え性のため、しっかりお参りさせてもらい、帰路についた。(康)


地図
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