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特集

五・七・五のリズムにのせて 川柳を楽しもう


五・七・五の定型にのせて詠む川柳。紙とペンさえあれば、いつでも始められる手軽さが魅力です。“心を詠う川柳の世界”をもっと身近に―。日々の生活の中で楽しんでみませんか。

五・七・五にのせ 川柳で人間を詠う

母と子で作るカレーが甘くなる

日常生活の一場面を詠んだ川柳です。情景が目に浮かび、温かい気持ちになりますね。川柳には難しいルールはありません。基本的には、五・七・五のリズムにのって自分の気持ちを詠うものです。「短い言葉は人の心を打ち、感動を伝えます」と奈良県川柳連盟理事長の杉野睦朗さん(75)。「川柳は“人間を詠うもの”。喜怒哀楽に人生があり、美しい日本語の余情があります」と話します。

詠う題材には、自分がよく知っているものを選ぶのがよいそうです。それは、自分自身のことであったり、犬が好きなら犬を、花が好きなら花を詠います。堅苦しい制約はありません。ただ、人をけなしたり、笑いだけを誘うような句は、川柳とは言えません。「ユーモアの裏のペーソスに、広がりがあるのです」と杉野さん。“穿ち(うがち)”と言われる川柳の三要素は、「軽み」「風刺」「笑い」。人情味があり、機知に富み、どこか滑稽(こっけい)という多面性が川柳の特徴なのです。

飾らず素直に心を詠もう

「見たものをそのまま詠むのではなく、頭から心に入れて吐き出す感じで言葉をつむぎだしてみてください」と話すのは、川柳歴32年で川柳教室の講師でもある大村美千子さん(奈良市・75)。初めて川柳を作る際のポイントは、(1)目の前にある景色や起こった出来事について、自分がどう思ったのかを素直に詠むこと(2)リズム感を大切に、五・七・五にまとめること(3)飾り言葉をいろいろと付けずに、自分の言葉で詠むこと―。「川柳にしようと思った時点で川柳になっていますので、難しく考えずに作ってみてくださいね」とアドバイス。また、人の句をたくさん読むことも勉強になるのでおすすめです。

大村さんが実母の介護に追われていたときに詠んだ句です。

自宅療養させるさせぬで風が立つ

本気かと問う本気だという鎖

我が胸で鬼とほとけのこぜり合い

母がよく眠ってくれて眠れない

私は長女だからと言いきかす

初心者も歓迎 句会へ参加を

県内にはいくつかの川柳結社があり、定期的に句会が開かれています(表参照)。決められた題に従い、時間内に句を作り発表します。句会へは、柳社の会員に限らず、誰でも参加できます。初心者も歓迎してもらえる雰囲気です。一度、句会へ足を運んでみてはいかがでしょう。

奈良新聞川柳大会の様子
奈良新聞川柳大会の様子
県内の主な川柳結社一覧
結社名 連絡先 句会メモ(開催日・会場・会費)
奈良番傘川柳会 奈良市中山町西3-535-12
TEL・FAX 0742・43・2248(黒川正之進方)
毎月第2火曜・18:00〜、奈良市中央公民館、句会費500円
やまと番傘川柳社 橿原市東坊城町342
TEL 0744・27・4019
FAX 0744・27・4045(杉森節子方)
田原本、天理、橿原、御所、王寺、桜井、くちなしの県内7つの川柳会で構成されている。各川柳会により、句会の開催日・場所などは異なる
川柳平城の会 北葛城郡王寺町畠田6-13-13
TEL・FAX 0745・73・1166(稲葉長生方)
毎月第1水曜・17:00〜、王寺町中央公民館分館、句会費500円
生駒番傘川柳会 生駒市光陽台184
TEL 0743・74・6019
FAX 0743・74・6099(吉川卓方)
毎月第3日曜・12:30〜、芸術会館美楽来、句会費500円
下市若鮎川柳会 吉野郡下市町阿知賀1826−3
TEL・FAX 0747・52・0132(鶴本むねお方)
毎月第1日曜・13:00〜、下市町第二老人憩いの家、句会費500円
五條あかね川柳会 五條市岡口1-1-20
TEL・FAX 07472・2・2255(平井綾女方)
毎月第2水曜・13:00〜、須恵公民館
川柳塔なら 生駒郡斑鳩町稲葉西2-4-23
TEL・FAX 0745・75・3655(中原比呂志方)
毎月第1木曜・13:00〜、奈良市中央公民館、句会費500円

川柳の魅力発見

居谷 真理子さん(橿原市・57歳)

居谷 真理子さん近影
自作の句集「やまとのかたすみで」を手に

専業主婦の居谷さんが川柳を詠み始めたのは50代に入ってから。読書以外の趣味を持とうと川柳を詠み始め、今では全国的な川柳専門雑誌などで入選を果たしています。現在、川柳結社「川柳塔なら」に所属し、積極的に活動している居谷さんですが、最初は新聞の川柳欄への投句から始めたそうです。「一人でできる趣味だから始めたのですが、今では川柳を通していろいろな人と交流できることが楽しい」と目を輝かせます。句会などで、90代の人がみずみずしい句を詠むにつけ、「実年齢と精神年齢は別のもの」と実感します。川柳の魅力は、「五・七・五という17音字の世界でいろいろな冒険ができること」。“創作”の楽しみも川柳にはあるのです。

人間が好きで古本買って来る

辛い夜は胎児の形して眠る

殺しあう命を母は産んでない

真理子

川柳を“生涯楽しめる趣味”という居谷さんに作句のポイントを聞くと、「体の中を通ってきた句、体験が背景にある句が良いようです。また、素直に詠む方が、句として力が強いようにも思います」とのこと。静かに机に向かい、川柳を詠む時間を過ごしてみませんか。

川柳で自己表現 子どもの心の声

川柳は大人だけのものではありません。奈良新聞の「ジュニア川柳」欄の選者である金岡蓉子さん(天理市・76)は、「子どもが詠む川柳に、しばしば教えられることがあります」と、投句される作品を読みながら実感しています。真っすぐな視線で詠まれた句は、子どもの心の声を映し出しています。身近な出来事を詠んだ小学生の句には無邪気さがあり、読んだ人を明るい気持ちにさせます。中学生になると、大人がハッとさせられる心の叫びが詠まれていることもあるそうです。

「子どもたちは、胸の中に言いたいことや聞いてほしいことを抱えています。川柳はその心を開かせる一つの方法として、すばらしい役目を果たしているのでは」。川柳を作ることで、自分の気持ちを整理でき、客観的に自分のことを振り返ることができるようになります。「自分のことを表現できるようになれば、人にも優しくなれるはず」と金岡さん。家族で川柳を詠み合うのも、コミュニケーションをとる方法の一つ。「多少、形になっていなくても、自由に気持ちを表現する機会を設けてみてはどうでしょう」。何気ない川柳の中に、今まで気づかなかった子どもの本音が見えてくるかもしれません。

<小学生の句>

さかあがりできたよ空が笑ったよ

音楽は世界に届くお手紙だ

<中学生の句>

どうしたのその一言で立ち直る

一番はやっぱり母の手母の味

◇奈良新聞川柳欄の案内

  • 「ニュース川柳」・・・・・・・杉野・黒川選・毎日掲載
  • 「奈良柳壇」・・・・・・・福田秋雄選・毎週水曜掲載
  • 「大和柳壇」・・・・・・・大村美千子選・第2、3木曜掲載
  • 「ジュニア川柳」・・・・・・・金岡蓉子選・毎週日曜掲載

第36回奈良新聞川柳大会

7月31日(日) 10:00〜

奈良県文化会館小ホールで開催されます。今年は、鬼師・小林章男さんを招き、「日本の鬼瓦は」というテーマのお話もあります。宿題と選者は、以下の通りです。

席題
一題(黒川正之進選)
宿題
「近い」(福田秋雄選)/「あの日」(大村美千子選)/「押す」(芳野多佳子選)/「鳴る」(鶴本むねお選)/「めがね」(杉森節子選)/「四角」(西川國治選)/「覚悟」(田中新一選)各題2句。
会費
3000円(昼食・発表誌含む)
出席申込
奈良新聞社文化事業課川柳係(TEL:0742・26・1335 FAX:0742・27・7810)
7月20日(水)まで
欠席投句
500円(発表誌代含む)同封の上、以下まで申込。
【宛先】〒630-8261 奈良市北市中町71 杉野睦朗
【締切】7月20日(水)必着
出句締切
11:30

初心者の参加もできます。

読者投稿コーナー 「ならリビング主婦川柳」が始まります

日常生活の身近な出来事について、感じたこと思ったことを川柳に詠んでみませんか。

応募方法
はがき、ファックス、HP上の投稿フォームで、作品一句、住所、名前、年齢、電話番号を明記し投稿。
宛先
〒630-8686 奈良市三条町606 奈良新聞社ならリビング「主婦川柳」係
FAX0742・26・5478

杉野睦朗さんに選んでいただき、紙面にて発表させていただきます(掲載は不定期)。

※掲載者の中から抽選で図書券を進呈します。


このページの内容は2005年6月24日現在のものです。




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