特集

秋到来、県内の山登りを楽しむ


秋の行楽に、山登りを始めてみませんか。健康に良く、普段の生活と違った世界を体験。季節が変わるごとに姿を変える山々。人気の熊野古道小辺路、大峯山奥駈道も県内ですから、山を知ることは、より深く奈良を知ることになります。ルールを守り、安全で楽しい山登りをしましょう。

山登りの心得 健康面に利点

奈良県内の山は、北はなだらか、南は険しいのが特徴。初めから、南の山を目指すのは無理ですが、低山から練習し、徐々に体力をつけていけば、登ることができます。大事なことは、山登りを単独でしないこと。低山であっても、山を甘くみない気持ちが大切です。

「体力、脚力を考え、少しでも体調がすぐれないときは、山行をすべきではない」というのは、青垣の山脈(やまなみ)を歩く会事務局の米澤清さん(78)。仲間と一緒は、助け合える利点があると同時に、1人が足を引っ張ると、全員に災難がふりかかります。個々が責任を持って行動しなくてはなりません。

「登れたという達成感、うれしい、楽しい、そしてまた登ろうという気持ちが、体と心のリフレッシュをはかり、長く続けられる要素となり、健康維持にもつながります」というのは県健康安全局健康増進課健康増進推進グループ主査の田中考子(こうこ)さん(38)。山登りは、体脂肪が減ることから、病気の3大死の中の2つ、脳疾患、心臓病の予防になるという利点があるのです。

登山届記入ボックスの写真
必ず記入して山に登りましょう

基本は服装と持ち物 緊張感が安心保証に

「ジーンズは、水を吸って重くなり、不向きです」というのは、大阪交野高校山岳部顧問の宮本裕史(ひろし)さん(平群町・44歳)。そろえなくてはならないものとして、まずは靴。底の固いくるぶしを覆う軽登山靴を用意します。ストックは、ひざの負担を軽減するだけでなく、足元の遊びを確認したり、滑落事故を防いだり重宝します。懐中電灯は、頭につけるものを。両手は常に使えるようにしておきます。雨具に折りたたみの傘とヤッケの両方あると、場所によって使い分けができて便利です。また、水は生死にかかわる必需品。ないと倒れてしまいます。登山医学では、1時間登るごとに、体重60kgの人で300cc必要です。

「必ず、2万5千分の1の地図を携帯し、どんなアクシデントにも備えて、ツェルトや保温性のあるアルミ布をグループに1つは持つべきです」というのは、県山岳連盟事務局長の登り賢二さん(54)。秋、遅い時間に登山した人が、雨にあって野宿し、そのまま体温がうばわれて亡くなったケースもあります。「備えておこうとする緊張感が、安心を保証する」と登りさんは話します。

安易な考えは危険 登山講習のすすめ

「コースタイムだけみて、山に登るのは危険です。高低差、路肩足場のもろさ、道標が少なく迷いやすい、登山道の足場が狭いなど、毎年、滑落事故、登れたが降りられないというアクシデントが多いのも事実です」というのは、大峰、台高の山々の登山ガイド、内炭直美さん(44)。「最近人気の奥駈道も人がたくさん入っていますが、決して簡単な道のりではなく、事故が絶えない」と内炭さん。山の怖さを知らないで、技術もないまま無理をしてしまうケースも見られるようです。水場の水が枯れていたり、有人の山小屋が少なかったり、状況は信州のアルプス登山より厳しいといいます。

できるだけ知識を豊富にすることが重要。先輩からアドバイスをもらう、山登りの講習を受け、地図を読めるようにするなど山登りの基本を勉強しましょう。

中高年安全登山指導者講習会

期日
10月7日〜9日(22日締切)
参加費
2万円
場所
国立曽爾少年自然の家及び周辺山域
講義内容
中高年の健康・体力と登山、登山の基礎知識など。詳細については下記まで
問い合わせ先
TEL 0742・27・9861(奈良県教育委員会 保健体育課 担当大辻)

マナー違反の増加 景観を美しく保つ

奥駈道が有名になって、バスツアーなどで訪れる人が多くなりました。人が多くなると、ルールやマナーを知らない人が増えてきたことも事実です。以前はテントを張ることができた広場で、ティッシュペーパーが散乱し、悲しい思いをした登山者は少なくありません。ティシュペーパーは決して溶けたり、無くなったりしないものです。せめて水溶性の紙を使い、埋めましょう。自然を守るため、たとえ小さな飴の包み紙であっても、ゴミはゴミ。捨ててはならないのです。

登山は、魅力あるスポーツです。奈良県は、山に恵まれた土地。この機会に訪れてみませんか。

県山岳連盟の加盟団体、会員募集の詳細
県山岳連盟
募集のある団体
会員数
主な年齢層
入会費
年会費
例会 活動内容 問い合わせ先
青垣の山脈(やまなみ)を歩く会
(1989年設立)
170人(男女比1:2)
50〜60歳代
入会費はなし。年会費3000円 なし 県下はもとより、各府県の山脈(やまなみ)をこよなく愛し、自然と学び、自然を尊び、自然に親しみ、自然との調和を損なわないようにし、安全で楽しい山登りをしている。沢登りや岩登りは行っていない。年に1度、海外のすぐれた山脈のトレッキングを企画。山行は月に1〜2回活動している。募集は行っていないが、1〜2回活動の見学により入会可能 TEL 0742・22・2095
米澤清
奈良山岳会
(1933年設立)
約30人(女性は3割)
30〜60歳代
入会費1000円。年会費3000円 月1回
奈良市内
大峰、台高をホームグラウンドに活動。四季を通じて低山ハイク、縦走、岩登りなど、オールラウンドに活動を続けている。普段は大峰や台高のほか、近県の山へ、長期の休みには北、南アルプスなど遠方にも足を運んでいる TEL 0744・24・8903
okmt@kcn.ne.jp
岡本浩一
明日香山岳会
(1977年設立)
17人(男性14人、女性3人)
40〜50歳代
正会員入会費2000円、年会費10000円。パーソナル会員入会費なし、年会費1000円 なし(メールにて連絡) オールラウンドの山行を通じ登山技術の習得と親睦を図っている。明日香村民春山登山、奈良県民体育大会、夏山合宿(3泊4日北アルプス方面)、1月2日金剛山初山行、2月冬山登山、その他、会員の希望により随時計画。現会員は奈良市より大淀町まで幅広い TEL 0744・54・2427
山口滋正
asuka-sy@sam.hi-ho.ne.jp
奈良岳志会
(1967年設立)
約40人(男性30人、女性10人)
20〜60歳代
入会費2000円、年会費4000円 毎月第3水曜日19:30〜21:00 奈良県短期大学山岳会(学生、OB)がより高度な登山活動を求めて奈良岳志会と名称変更し、社会人山岳会として独立した。時代の流れで、会員の高齢化と中高年の入会希望者が増えて、安全を重視した登山活動にウエイトを移行しつつある。大峰、台高、鈴鹿をホームゲレンデに北南中央アルプスなど、また四季を通じて沢登り、縦走、雪山とオールラウンドな活動をしている 80円切手同封の上、
〒639-1125 大和郡山市八条町747 奈良岳志会本部 吉村忠明
gakusikai@mbg.nifty.com
まほろば山好会
(2003年設立)
32人(男性22人、女性10人)
20〜70歳代
会費なし、その都度実費。北アルプスをめざす人には日本山岳協会の共済に加入をすすめています。年7800円 なし。リーダー主導型。会員の要望に答えて計画する 35年間、よろず相談所山岳会として連盟に加盟していましたが、新しい会として2003年に設立、会の名前も会員より公募で決定。日帰りハイキングから北アルプスまで山行の数は多い。月に1〜2回の岳連行事にはなるべく参加を呼びかけている TEL 0743・67・1831
迫田良信

NGO奈良県山岳ガイド協会

2004年7月7日、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されました。これにともない、入山者が増加していき、ガイドの必要性が生じました。

今日まで奈良県の山岳ガイドは、個別の組織や事業体、または個人就業の形で独自に行われていました。山岳ガイドを集結し、統一された契約条件での就業、社会的認知、安全性、スキル向上を図ります。

山岳ガイドとは、四季を通じ、顧客の要望するコース、あるいはガイドの推薦するコースを堪能でき、かつ安全に案内する役割を担っています。

問い合わせ先
TEL 0744・42・6013(南元)

山と子育て

親子で山登りを楽しんでいる内炭さん。山登りは、精神面が強くなるといいます。疲れても、子どもたち、それぞれが頂上を目指し、持久力が養われ、最後まで成し遂げるという勉強になるのです。それは、子どもの普段の生活にも影響し、やるべきことは理解し、行動できるようになります。

夫の孝夫さんは、昨年、山岳ガイドの試験を突破した少数の1人。直美さんも山のガイドの実績も長く、なら社会保健センターで、山歩きの講師を務めています。

内炭ファミリー
弥山(1895m)の頂上にて内炭直美さん、長女の安奈さん、次女の有加さん、三女の明己さん、長男の卓也さん

このページの内容は2005年9月16日現在のものです。





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