この秋は、あなたのお気に入りのアートに出合ってみませんか。使い手の感性で表情を変える器、彩りと温もりを伝える染め布等など、暮らしのなかに息づく作品世界に触れてみましょう。そこに“食”があったら、もっともっと癒されそうですね。オーナーのセンスを生かし、自主企画を中心に展観している県内ギャラリー&カフェを紹介します。
地元手作り作家と食のコラボレーション新興の華やぎと喧騒を併せ持つ住宅街から下ると、静かな田園風景が広がります。昭和初期の民家を改装した建物は、記憶のどこかに潜んでいるような懐かしさが―。ふすま仕切りのギャラリー空間には、奈良や京都の若手手作り作家の器やアクセサリー、木彫や布小物などが並びます。 「地元で丁寧に仕事を続ける作家を大事にしたい。食とのコラボレーションで、癒しの場としてくつろいでもらえれば」と話すオーナーの森田雄己さん(50)。今月初めには、みち草工房をオープン。アイアン作家による初めての企画展を開催しました。今後も温もりのある作品を中心に、自主企画ものを展開していきたいと意欲を見せます。
◆11月27日〜12月2日あかり展 木津町相楽城ノ堀26 ■福祉会館バス停下車徒歩1分 TEL:0774・71・0305 |
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中国茶の香りに包まれ 美と向き合う至福奈良町の小路を入った長屋町屋。本格的な中国茶が味わえることで知られます。2階のギャラリーでは、絵画やガラス、染めなど、オーナーの北上敦子さん(50代)企画の展覧会が開かれており、月1〜2人のペースで、来秋まで既に予定が決まっています。 「他ではなかなか取り上げない作家、奈良では初めてという人を紹介したい」という北上さん。県内外の画廊を回り、勉強してきました。伝統的な中国画に、西洋画の構図を取り入れた中国画家の余啓平さんに出会ったことが、お茶とギャラリーを始めるきっかけになったといいます。 「やる気とセンスのある若手アーティストも応援したいですね」 鮮やかな手つきで入れてくれる中国茶の香りの余韻の中で、アートに浸るのもオツなものです。
◆10月5日〜10日=福田孝雄展 10月26日〜11月6日=平田将人吹きガラス展 奈良市川之上突抜 北方町18−7 |
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経験に裏打ちされた審美眼に選ばれた器画家、故岡村幸右エ門さんの妻、美千子さん(53)が「いいものを普段使いできる」ことを基本に、自らの目で選んだ陶の器や漆器を常設。生前懇意にしていた陶芸家の窯場まで足を運んで直接選んでいるため、岸本謙仁さんなど著名な作家の器を驚くほど手ごろな価格で手に入れることが出来ます。 別空間では、1カ月単位で、個性的なテーマの企画展も開催。これまで鏡や籐を主役に展観してきました。 「私が好きなものだけを置いています」という岡村さんの言葉の奥には、培われた感性が見て取れます。
◆10月16日までポスター展。 奈良市法蓮町736−5 |
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アートのある暮らしをトータルに提案奈良市東部、緑の茶畑に囲まれた自宅の隣りに、安達泉さん(50)が一昨年開いたギャラリー。陶芸家の重森陽子さん、古川章蔵さんの器を常設します。 大阪の現代美術画廊に9年勤め、以来、常にアートの世界を見つめながら、自宅空間で個展やコンサートを企画してきた安達さん。庭でハーブを育て、料理をし、季節のしつらいを演出するなど、暮らしすべてをまるごと楽しんでいます。 「器にしても家具にしても、暮らしのなかに取り入れることが大事。気に入った器でお茶を飲んでくれたら、作家も私もうれしいですね。豊かな心もいっしょに持って帰ってほしい」 12月18、19日は、石田理恵さんの香りの演出とフランスシターの演奏、安達さんの料理を楽しむ「クリスマスの歓び2005」を開催予定です。
◆11月18日(金)〜27日(日) 「重森陽子陶展」 会期中は小さなカフェをオープン。 ランチ1500円(各日10食)、コーヒー、紅茶、ケーキ ◎11時〜18時。会期中無休。 個展開催日以外の見学、鑑賞は前日までに問い合わせ。 奈良市茗荷町1400 |
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作家の生き方そのものに共感 室生の里から発信「素朴で自然があり、歴史がある。そんな奥行きのある風土に魅せられて奈良を選びました」とたおやかな笑顔で語る山脇優喜美さん。空間デザイナーとして二十数年、阪急百貨店のウインドウディスプレイなど商業デザイン界の最前線で流行と隣り合いながら、ハードな仕事を続けてきました。 「でも、あるとき、文句を言っている自分に気が付いたのです。都会のマンション暮らしではなく、腰を据え、土のあるところでちゃんと“暮らすこと”をしたい」と、居を探し、たどり着いたのが室生にある築300年の田舎家。荒れた曲がり家に手を入れ、庭には紅葉や楢の木を植えて趣のある景色を作ってきました。 若いころから焼きものや骨董に興味をもち、生き方そのものに共感できる作家との出会いもあって、ギャラリーという「発信する仕事」を始めて8年。 「村のおばあちゃんたちからも力をもらいました。都会にいるときより感じること、ドキドキすることがいっぱいです」とほほ笑みながら、畑の瑞々しいトマトといっしょに庭の野の花をさりげなく器に飾る山脇さん。 遥か高見山から連なる宇陀の山々を見はるかす庭では、薄紫の萩の花が静かに揺れていました。
版画、陶芸、染織、現代美術などのアートジャンルで、年9回の企画展を開催。生き方そのものに共感できる作家が基本。
◆10月2日まで斉藤洋の「染め展」 室生村向渕415 |
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独特の感性で伝える 多彩なメッセージ「独自の世界、作風をもちながら、器の使い手の自在な発想で普段使いできる作家ものをメインに展観しています」というオーナーの常岡慎一郎さん(31)。ユニークな表情の蒲公子さんの器に抹茶オーレがおしゃれ。扱う作家は全国に及び、どれも素朴な温かみを伝えながら、手ごろな値段が魅力です。 築80年ほどの古民家を「未来型に改装」しました。古い長持をディスプレイ台にし、壁にはめこんだ画面からは写真家の映像が淡々と流れます。光と音を重要なファクターとして作り上げた空間は、前衛的なアートも拒みません。それでも無機質な怜悧さが微じんも感じられないのは、家の歴史、土と木の香りからでしょうか。「目指しているのはギャラリーというより美術館」という常岡さん。今後の展開が期待されます。
◆10月31日まで陶器のオブジェ展 葛城市弁之庄319 |
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主婦の目で選んだ素材感と存在感のある器ニュータウンのしょう洒な自宅に主婦の大垣ひろ子さん(46)が今春オープンしたギャラリーショップ。玄関には自作のパッチワーク額が飾られ、友人の家に招かれた気分に。明るい光がふりそそぐリビングには、全国から集めた作家ものの器がクラシカルモダンな骨董棚に展示されています。 「料理を盛り付けたら、引き立てあうような器がいいですね。使っているうちに味が出てくるようなシンプルで素材感のあるものが好き」という大垣さん。道具のように使い込まれる器を目指す市川孝さん、渋めの肌が和穀に合いそうな田鶴濱守人さんの大皿など、主婦が普段使いできる器が並びます。 繁忙期でないときは、訪ねてくれた人に、お茶やコーヒーをサービス。くつろぎのひとときを提供しています。
◆きょう30日まで 鳥山高史のグラスワーク展開催中 ◎営業11時〜17時。日曜〜火曜定休。 広陵町馬見北9−2−6 |
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このページの内容は2005年9月30日現在のものです。
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