特集

台所から実践 地球に優しい暮らし


飲み水についてこだわりを持つ人は増えていますが、使った水についてはどうでしょう。日々、台所や風呂場などで何気なく使い流している水は一体どこへ流れていくのか−。地球にとって優しい暮らしへの第一歩として、流す水についてちょっと考えてみませんか。

河川への入口 台所の流し口

節電、節水、リサイクル、そしてゴミの分別など、エコライフと言ってもさまざま。そして取り組み方も千差万別です。昨年、ならリビングで実施した暮らし彩光アンケートによると、約8割の人がエコライフを意識し、小さなことでも何らかの取り組みを実践していました=表1=。県生活環境部環境政策課がエコライフに取り組む人を対象に募集しているエコライフファミリー(※1)が昨年実践した取り組み状況によると、ゴミの分別、節電、節水への関心が高いことがうかがえます。中でも、約7割の人が水をこまめに止めており、約半数の人が風呂の残り湯を洗濯や植木の水やりに再利用していました。

「各家庭における小さな取り組みがとても大切」と話すのは、奈良県流域下水道センター管理課の今西喜久男さん(52)。県内には4カ所の処理施設がありますが、同センターへは、約60万人が暮らす15市町の生活排水と工場排水が、1日平均21万t、365日止まることなく流れてきます。その都度ゆっくり汚物を沈殿させ、汚れを食べる小さな微生物に水をきれいにしてもらい、約24時間後には大和川へ放流=ページ下部に図あり=。その一連の流れにおいて、水量が増えれば増えるほど、必然的に処理への負荷がかかってくるのです。

「自然界で行われているように、微生物に本来の力を発揮してもらうためには、状況に応じて空気をたくさん送る必要があり、そのために膨大な電力も使われています」と今西さん。水が汚れていればさらに負荷がかかるのは当然のこと。「一人一人が節水や水の再利用を心がけるだけで、大きな変化につながります」。台所の流し台は河川への入口―。そのイメージがつかめたら、きっと水の使い方も変わってくるのではないでしょうか。

私の取り組み 手づくり石けん

「誰でも安心して使える石けんは、環境や体にやさしいだけではなく洗浄力も優れているんですよ」と話す木津町の佃麻由美さん(36)。使い心地のよさが気に入り、三児の子育てに励みながら、無添加・無香料の手づくり石けん製作に力を入れています。「しっとりしたいときはハチミツを、さっぱりしたいときは竹炭を入れるなど、季節にあわせた石けんづくりを楽しんでいます」とにっこり。作った石けんはカケラ一つ無駄にせず、台所だけではなく、洗面所や風呂場などいたるところで活用しています。

3年前にはネット販売を行う「手づくり石けんの店ツクツク」をオープン。完売になることもしばしばで、石けんへ対する関心の高さをひしひしと感じるそうです。自然界でなかなか分解されない合成洗剤と違い、油からできている石けんは、川に流れてもすぐに分解されるのが特長です。洗剤を見直すことも、水質浄化に大きな力を発揮するのです。

(下記に廃油石けんの作り方を紹介)

社会実験に参加しよう!

2月19日(日)、奈良新聞社主催で「大和川生活排水対策社会実験」が実施されます。生活排水対策として、各家庭で次の3つの項目を実践してもらい、その結果を調べる試みです。大和川流域約215万人の力を結集し、その結果を確かめてみましょう。

第3回 奈良県“暮らし”と“環境”フェスティバル

3月18日(土)19日(日)、奈良県文化会館で見て、食べて、学べる100%エコライフを体感できるイベントが行われます。企業・団体・行政の環境への取り組みなどを紹介するブースやエコ体験会場、県特産品の販売や食のコーナーなど盛りだくさん。宮川花子講演会・パネルディスカッション/いないいないばぁ「ワンワンとあそぼうショー」は要事前申込。 (詳細は下記参照)

表1-エコライフについて、小さなことでも何か実践していますか。

節電、節水など・リサイクル・ゴミの分別・買い物袋を持っていく

はい 447
いいえ 102
549
エコライフ 小さなことでも続けていますか。

現在会員数は約2000人。昨年は442人がエコライフファミリーへの取り組みを行った。

現在、エコライフファミリーを募集中。

詳しくはhttp://www.eco.pref.nara.jp/family/index.html(奈良県環境政策課)。

さくらいエコたわし 河川水質浄化に期待

エコたわしは、大きさにより合計19本、または29本の端布の輪を用いて作成。ガラス窓、食器棚、冷蔵庫、風呂場などの汚れ落としにも適している

リサイクルと環境改善をテーマに活動している桜井市生活学校では、一昨年10月、「さくらいエコたわし」を創作発表し、現在、積極的に普及活動を展開しています。「大和川が汚れているというニュースを耳にするにつけ、私たちに何かできることはないのかという発想から生まれたのがエコたわしです」と運営委員長の小杉弘子さん。靴下の製造工程で排出される端布を譲り受け、新しい命を吹き込み、資源として活用しています。

これまでのタワシとは違う感触に最初は違和感を感じる人もいるそうですが、使い続けるうちに「洗剤がなくてもよく落ちる」とその効果を実感。メンバーの各家庭におけるテストでも、好結果がでているそうです。また、誰でも手軽に作ることができるのも特徴の一つ。「一度覚えれば、配色を楽しみながら、子どもからお年寄りまで簡単に指で編んでもらえます」と話します。楽しみながら実践することも、エコある暮らしを継続するための大事な要素です。エコたわしは、河川の水質汚染防止対策における身近な手段の一つとして、注目されています。

メモ

3月18日(土)19日(日)、奈良県文化会館で行われる第3回奈良県“暮らし”と“環境”フェスティバルのエコ体験イベントの一環として、エコタワシの作り方を体験できる

生活排水が川へ放流されるまで

【家庭・工場】
地下にはりめぐらされた下水管を通って処理場に。
【沈砂池・スクリーン】
・・・大きなゴミ・土砂を取り除く。
  汚水ポンプでくみあげる。
【最初沈殿池】
・・・ゆっくり流してゴミや泥を沈殿させて取り除く。
【生物反応槽】
・・・微生物の働きにより、汚水中の有機物を吸着、分解して取り除く。同時に富栄養化の原因となるリンも除去。
【最終沈殿池】
・・・活性汚泥は底に沈み、きれいな水とわかれる。沈んだ活性汚泥は必要な量だけ生物反応槽に返され、余った汚泥は加圧浮上濃縮槽へ。
 
【塩素混和池】
・・・水質調査
放流
【河川】

メモ

奈良県流域下水道センター

大和郡山市額田部南町160

0743・56・2830

見学希望者には施設案内も実施。

作って実践! 廃油石けんの作り方(3〜4個)
〜手づくり石けんの店ツクツクの佃さんに教えてもらいました。安全に注意してチャレンジしてみましょう。

用意するもの(3〜4個分)




■苛性ソーダの取り扱い注意事項

作り方

手づくり石けんの店ツクツク
http://www.tsukutsuku.com


このページの内容は2006年2月10日現在のものです。





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