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絵馬に願いを込めて〜新しい年が良い年になりますように〜


橿原神宮大絵馬 2006年も残すところあと少し。新年の訪れも間近となりました。年末年始は寺社に詣で、絵馬に願い事を書くという人も多いのではないでしょうか。新たに迎える2007年が皆さまにとって良い年でありますように―。そんな願いを込め、本年最後のならリビングは絵馬を特集。良い年末年始をお過ごしください。写真左:畳14枚分の大きさを持つ橿原神宮の大絵馬

最初は生きた馬を奉納 人々の祈りを込め

「家族みんな健康に過ごせますように」「合格しますように」―。いろいろな思いを託して神社や寺に奉納される絵馬。奈良時代には雨乞いや晴天を祈るために生きた馬を祭神に奉納していたそうですが、時代を経るに従って土馬や木馬に、そして板立馬、板絵馬と徐々にその形が変化してきました。板絵馬でも初めは馬の絵が描かれていたものが、願いに合わせた絵柄が描かれるようになってきたようです。
 板絵馬の歴史も平安時代からと考えられていましたが、長屋王の邸宅跡から絵馬が見つかるなど、発掘が進むにつれ奈良時代からあったという見方も強くなっています。
 興福寺国宝館では毎年12月15日から翌3月20日まで「絵馬展」を開催。興福寺が所有する大永元年(1521)の絵馬のほか、江戸、明治時代の絵馬が展示されています。絵馬には「諸願成就」「家内安全」「息災延命」など、今と変わらない当時の人々の願いが書かれています。また願いが叶ったお礼を書いて奉納された絵馬や、庶民だけでなく、僧侶が試験合格などを願っている絵馬もあるそうです。

古い形を残す立絵馬 今は民芸品としても

手向山八幡宮に残る立絵馬は、絵馬の古い形式を今に伝えています。ご祭神である応神天皇が寵愛された「あつひさ」という黒馬が八幡宮に伝わる「唐鞍(からくら)」という馬飾りをしている姿を簡略化したデザインで「今は民芸品としても親しまれています」と宮司の上司延訓さん(70)。昭和の中ごろまでは神社で一つひとつ手描きしていたそうです。今は外注していますが絵の具も特殊なものを使い、その形も独特なため手作りに変わりありません。戦時中は武勇の神様として、また境内に菅原道真の百人一首の碑があることから、学問の神様としても信仰を集めています。

手間を掛け作られる立絵馬

フクロウ型の新しい学問向上を願う絵馬

大神(おおみわ)神社の摂社・久延彦(くえひこ)神社は智恵の神様として信仰されています。この神社に続く石段の左右には多くの願掛け絵馬が奉納されていますが、先月11月に新しく登場したのがフクロウ型の絵馬。「物知り」なフクロウが角帽を被っている愛嬌のある絵馬です。久延彦神社は竹やぶに囲まれており、まだまだ伸びる若い竹に絵馬を結んで、学問向上を願う人も多いそうです。

また大神神社では拝殿の手前にある夫婦岩の横に縁結びの絵馬掛けが設けられています。ここの絵馬はプライバシーを守るため、願い事の上にシールをはることができるようになっています。

大神神社の摂社で、奈良市にある率川(いさがわ)神社では、6月の例祭・三枝祭(通称・ゆりまつり)の時に「ゆり絵馬」を授与しています。この祭は笹ゆりの花を酒樽に飾って祀る、奈良時代ごろから伝わる行事で、笹ゆりを描いた絵馬に造花の笹ゆりをつけて授与され、特に女性に人気があります。

冬の境内彩る花の絵馬 ハート型縁結び絵馬も

安倍文殊院は日本三文殊の第一霊場で、学問の仏様として信仰されています。毎年11月には境内の花広場に新年の干支をパンジーで描くジャンボ絵馬が登場し、冬の境内を彩ります。来年の干支「亥」でちょうど12年目。十二支がそろいました。
 約8000株のパンジーを使い、デザインからすべて寺院の職員による手作り。「亥」は上を向いて飛んでいる姿を表しており、横には「合格」の文字。12年前にこの大絵馬を始めたきっかけは、年中花を切らさない寺にしたいという思いと、合格祈願に初詣に訪れる多くの受験生に「合格」の文字を一足早く見せてあげたかったからとのこと。安倍晴明公天文観測地と伝わる展望台から眺める事ができます。
 その展望台を下りたところに鎮座する白山堂は石川県にある白山神社の末社で、白山菊理姫を祀っています。この菊理姫はイザナギノミコトとイザナミノミコトの縁をとりもった神で、縁結び祈願、良縁祈願の成就の神様として知られています。この白山堂ではハート型に天使が矢を放とうとしている姿を描いた縁結びの絵馬が授与されています。

摂社や末社の絵馬 それぞれに願い込めて

春日大社には「春日若宮おん祭」で知られる「若宮」など全部で61の摂社・末社があります。「八百万の神」と言われるように、日本の神様はそれぞれ異なる分野の力を持っておられるということで、それぞれの願いに合わせた絵馬を授与している摂社・末社もあります。
まず夫婦大国社のハート型縁結びの絵馬。夫婦の大国様を祀る日本で唯一の神社で、縁結びや恋愛成就を願う多くの絵馬が掛けられています。また同じ夫婦大国社で授与されている白乳神社と赤乳神社の絵馬は、腰から上と腰から下の婦人病を治す神として、絵馬には女性の上半身・下半身が描かれています。形も独特で、絵も一枚ずつ手描きされています。神社は山の奥地にあるため、夫婦大国社の近くに遥拝所が設けられています。
ほかにも延命長寿を守る多賀神社。家を守る総宮神社。一つだけ心から願えば叶うという一言主神社。あらゆる病気平癒にご利益のある水谷神社などに、それぞれの願いに合わせた絵馬が置かれています。初詣に行っても本殿だけでなく、自分の願いを一番叶えてくれそうな摂社・末社に詣でるのも良いのではないでしょうか。また願いがかなったら「ありがとうございます」とお礼することも大切なようです。

その他にも、神社によって特徴のある絵馬が授与されています。正月には干支絵馬が多いですが、年間を通じて授与されている、その寺社ならではの絵馬を探してみてはいかがでしょう。

形も多種多様 現代寺社の絵馬

帯解寺 久延彦(くえひこ)神社 率川(いさがわ)神社

安倍文殊院 白山堂 夫婦大国社・白乳神社・赤乳神社

絵馬一覧

【東大寺二月堂】火防、灯籠、椿の絵馬
【唐招提寺】千手観音の絵馬とうちわまきの絵馬
【薬師寺】薬師寺の塔など境内の風景が描かれた絵馬
【西大寺】愛染明王絵馬
【大安寺】笹の絵の絵馬
【霊山寺】七福神を描いた3種類の絵馬
【帯解寺】子宝に恵まれるよう犬を一刀彫で立体的に彫った絵馬
【瑜伽神社】大伴坂上郎女のイラストと歌を書いた万葉絵馬
【矢田寺】カエルとアジサイを描いた縁結びの絵馬
【松尾寺】干支12種類の絵馬
【大和神社】戦艦大和縁の神社であることから戦艦大和の焼印を押した絵馬
【長岳寺】平安時代の男女の子どもを描いた飾り絵馬
【おふさ観音】丸い形をしたバラの絵馬
【信貴山朝護孫子寺】虎とムカデを描いた絵馬
【談山神社】けまり絵馬と鏡女王の姿を描いた恋愛成就の恋絵馬
【岡寺】如意輪観音の姿を描いた厄除け絵馬
【壷阪寺】眼病封じの「め」の絵馬
【飛鳥寺】飛鳥大仏、石舞台、入鹿の首塚、高松塚古墳の壁画、小瓦と明日香村の観光名所を描いた絵馬
【室生寺】五重塔を描いた絵馬
【吉野神宮】ご祭神である後醍醐天皇の姿を描いた2種類の絵馬

このページの内容は2006年12月22日現在のものです。





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