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本格的な夏を前に見直そう 安全な水道水


水道水を直接飲まない、ペットボトルの水を買う、浄水器を取り付けるなど水に対して敏感な人は多くいます。水道水の安全性は、法律によって定められた検査と塩素による滅菌が義務づけられています。水道水は検査の数だけでも約50種、食品衛生法で義務付けられているペットボトルの水は約20種。これから暑い夏に利用することが多い水。水道関係者から水道水の中身を聞いてきました。

地域の水道水 ブレンド水も

水道水は地域によって味が異なります。
  「(1)市町村の水と県からの水(県水)をブレンドしたもの(2)市町村の水100%(3)県水100%という3つのタイプに分かれます」というのは奈良県水道局総務課総務調整係主査の秋山勇さん(32)。

県水は桜井浄水場(水源は室生ダム)と御所浄水場(水源は吉野川)の2カ所で水をきれいにし、必要な市町村へ卸売りしています。各市町村の水道水は、ダムや川、地下水などから利用され、不足分を県水から何%か補充してブレンドしている地域が多いのです。また吉野川より南の地域は、町村の自己水で十分まかなえるそうです。

水道水は法律で、塩素が蛇口から出たときに、0,1mg/L以上含んでいなければなりません。「液体塩素は、貯蔵など取扱いに気を付けなければならないため、今年から食塩水を電気分解してできる次亜塩酸ナトリウムに変更しました」というのは奈良県水道局業務課主査の和田正豊さん(32)。個人差によりますが、塩素の味は、のどを通過するときに少し分かる程度。塩素濃度0,4mg/L以下で人は水をおいしく感じ、冷やすとさらにおいしく感じるそうです。

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水をろ過する砂の層の真下の地下で、砂を自動で洗浄する仕組み説明をする奈良市水道局浄水課長補佐の河内好博さん(53)。メーターの横に、ろ過したばかりの水を出すところがある

安心・安全を目指して 奈良市の水をアピール

水道水の殺菌に使われている塩素の濃度は時間の経過とともに減っていきます。浄水場から一番遠い家庭の蛇口から出た水に0,1mg/L以上と決められています。

「マンションなど貯水槽にためられた水は、その建物の管理となります」というのは奈良市水道局経営管理課長補佐の久保繁樹さん(50)。

くみ置かれた水は塩素が抜けて、雑菌などが繁殖する可能性もあります。安全面を考慮して、奈良市では小学校で貯水槽にためない水を飲めるように、配水管工事が少しずつ進んでいます。

  「蛇口から直接子どもたちに、水道水を飲んでもらいたいから、緑ケ丘浄水場社会見学の際に、できたての水を飲んでもらっています」というのは奈良市水道局経営管理課長の中村博武さん(52)。奈良市は布目ダムの取水場から緑ケ丘浄水場へ土地の高低差を利用して運ばれます(水道水ができるまで参照)。水中のごみを除き、原水のミネラル分を生かし、殺菌用の塩素を注入して家庭に給水しているのです。
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布目ダムからの原水がたえずこの水槽に入る。魚で水の状態が把握できる

観賞魚の水のカルキ抜き剤とは

カルキ臭というのは水道水の「塩素臭」のこと。カルキ抜き剤とはチオ硫酸ナトリウムという物質で、塩素を除去する働きがある。チオ硫酸ナトリウムは少量であれば人体に害はないが、飲用として認められていない。観賞魚には、日光にあてながら1日くみ置いた水道水が最適

おいしい水とは ミネラルが必要

水道水で問題とされるトリハロメタンは、植物などが、微生物によって分解されるときにできるフミン質などの有機物と、塩素が反応してできる消毒副生成物。配水している水道水を定期的に検査し、水質基準(※参照)以下であることを確認しています。

「何も入っていない蒸留水や超純水を、人が飲むと腸でミネラルを奪われ脱水症状になります。原水にあるカルシウム、マグネシウムなどがあって、体に良く、おいしいと感じることができるのです」というのは奈良市水道局水質管理課長の平岡正和さん(56)。

よくやかんの底に白く残っているのはカルシウム。ミネラルとも呼ばれ、実はうまみ成分です。日本の水はこの成分が低い方。海外の硬水と呼ばれるミネラルウオーターをやかんで沸かすと、多量に白いものが底にたまります。水道水はミネラルを補充することなく、自然界に含まれているものなので、市町村によって違ってくるのです。

 

※水質基準とは、人が70年間毎日飲み続けて、10万人に1人が影響があるかないかという確率になっています。

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三宅町の地下水。浮遊する鉄分が見える。バクテリアの力を借りて90%除去。さらにろ過し、100%近く取り除く

水道局から家庭用おいしい水の作り方

  1. 水道水をやかんに入れる
  2. ふたをしないで5分沸騰させる
  3. 冷めたら冷蔵庫に入れる。

★塩素は揮発性のため、沸騰することでほとんどの塩素が抜ける。トリハロメタンも同様に抜ける。

原水の性質重視 低塩素の三宅町

奈良平野部の中にある三宅町は県水購入の数字が低い地域です。

「地下約250mからの地下水を利用しています。原水は鉄分が多いので、鉄バクテリア処理や薬品処理し、ろ過でほぼ100%取り除きます」というのは三宅町役場上下水道課の青木周造さん(45)。原水は弱アルカリ性から中性なので、PH調整なく配水できます。

「町内の配管の距離が短いので、塩素濃度が低い水を供給できるのです」というのは三宅町役場上下水道課係長の山本勝さん(52)。

法律で定められた原水検査は、一般細菌、大腸菌、カドミウムや水銀、鉛などだけでなく、味、臭気、濁度も調べています。三宅町の地下水は、鉄分を除けば、検査項目の基準値以下という良質の水なのです。

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簡易水道を訪ねて 小世帯の地域の水

五條市西吉野地区は、配水5000世帯以下の簡易水道施設が点在している地区です。

「西吉野では、原水の鉄、マンガン成分を活性炭などで除去します。また雨天は濁度が高くなるため、膜ろ過という方法をとっています」というのは五條市水道局簡易水道事務所庶務計画係長の山口安文さん(51)。

川の脇にある浅井戸の原水は、天気が晴れのときは濁度が0,1度。透明で美しいとされる濁度は2度以下なので、かなりきれいな水といえます。ごみなどを沈殿させ、膜モジュールという細かい目のセラミック膜に通して、さらに濁りをとり除きます。

水道水に含まれる塩素の口当たりの印象で、直接飲むのをためらう人もいます。夏に需要が大きい水。家庭で使用する際に、今一度、考える機会にしませんか。

水道水ができるまで

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このページの内容は2007年6月8日現在のものです。





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