特集

血圧は健康のシグナル


血圧が高くなると、命に関わる病気になります。そうと分かっていても、高血圧が直接の病名でないため放置し、発病したときには取り返しがつかないことになっているのです。加齢とともに血管が硬くなることも高血圧の理由の1つですが、それより問題なのは、日ごろの不摂生が血管を細くし、病気の近道を自ら作ってしまうことです。まず健康でいるために、血圧について知ることから始めませんか。

高血圧は危険信号 血圧のことを知る

脳卒中、心筋梗塞(こうそく)、心臓肥大、動脈硬化、腎機能障害など、直接死につながる危険な病気は突然やってくるものではありません。まず高血圧という警告があるのです。

「血圧を厳格にコントロールすることは脳卒中・心疾患の発症率を低下させるという大規模臨床研究がここ数年相次いで報告されています。したがって、これらの病気の発症を予防するためには高い血圧をしっかりと低下させる必要があります」というのは奈良県立奈良病院循環器科部長、内科部長の井上文隆さん(43)。

高血圧と診断された患者は、まず減塩などの生活習慣の改善をします。それでも降圧目標値が得られない場合は薬による治療が必要です。特に糖尿病、脂質異常症、腎機能障害などを合併している人は脳卒中や心疾患の発症リスクが高いため、厳格な血圧コントロールが必要です。薬を継続することに抵抗を感じる人もいると思いますが、血圧を十分に低下させることは、健康で長生きするために重要なことなのです。

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健康であるために 朝や温度差を考慮

日本人の血圧は、冬は高く、夏は低い傾向にあります。

「毎日、血圧を測るのも、健康のめやすになります。朝起きて、食事前にお茶でも飲んで5分くらいたってから血圧を測りましょう。朝は一番血圧が上がっています。適度な運動も朝は避けましょう」と井上さんは話します。【生活習慣の修正項目参照】

また家の中で、突然倒れる原因に、温度差があります。

「家の中の温度差は体に負荷がかかります。可能であれば温度差の原因となる廊下を作らない設計や、床暖房で工夫します。自分が寒くて嫌だと思うことは、人にもやさしくないのです」というのは一級建築士、福祉住環境コーディネーター二級の相河真弓設計工房の相河真弓さん(39)。家の中の温度差が少ないように、リビング、ダイニング、洗面、トイレなどを廊下がないワンフロアに設計できます。その場合、リビング、ダイニングから、トイレや洗面所が直接見えないような工夫も大切だそうです。

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楽しく教える 健康教室

医療法人康成会のクリニックでは、1カ月目に講義、2カ月目に料理講座と2カ月単位でセミナーを開催しています。

「高血圧治療ガイドラインでは、1日の塩分摂取量を6g未満にすることが推奨されています。実際に続けるためにどれくらいの塩味であるのか、セミナーを受けることで分かりやすい内容になっています」というのは星和台クリニック管理栄養士の藤原典子さん(36)。塩をひかえると物足りないと思われがちですが、少し塩が薄いと感じる程度の食事を続けていると、その味に慣れてくるそうです。【レシピ参照】

腎臓は、血圧を調節するホルモンが作られる大事なところ。高血圧を放置して、塩分の多い食事を続けていると、腎機能が低下して、ホルモンが作られなくなり、高血圧がさらに悪化していきます。

「野菜、果物に含まれるカリウムは、ナトリウムの排せつを促します」と同クリニック管理栄養士の古川貴美子さん(24)はいいます。水に溶けやすいカリウム吸収するために、生で食べたり、減塩のためみそ汁の汁を少なくして、野菜たっぷりの具で汁ごと取り入れる方法もあるそうです。

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病気は自己責任 元気で長生き

もし「寝たきりの人」が1人いたら。家族と社会にかかる経済的負担は、1年間で数百万。

「女性ホルモンが減少する更年期から、コレステロールの上昇とともに高血圧や動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高くなります」と言うのは医療法人Green Wake中野司朗レディースクリニック院長の中野司朗さん(51)。

日本で死亡順位1位はガンですが、2位、3位はそれぞれ心疾患、脳血管疾患。また、寝たきり原因の1位は脳血管疾患です。クリニックで行う、頚(けい)動脈エコーは、血栓の状態や血流速度を観察し心筋梗塞や脳梗塞のリスクを予測するための検査。自宅で簡単に行える血圧測定だけでも、健康管理の目安になります。

「子どもの数が少ないうえに世界一の長寿国日本。これから、高齢者をどれだけの若者で支えていくか考えてみてください」と中野さんは強く主張します。

今は健康に自信のある人でも、将来の寝たきりのリスクを考慮。元気で長生きするために、自分の体を知って、毎日の生活を見直してみませんか。

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生活習慣の修正項目

  1. 食塩制限 6g/日未満
  2. 野菜・果実の積極的摂取 (ただし、野菜・果物の積極的摂取は、重篤な腎障害を伴うものでは、高K血症をきたす可能性があるので推奨されない。また、果物の積極的摂取は摂取カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者では推奨されない)コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
  3. 適性体重の維持 BMI 体重kg÷(身長m×身長m)で25を越えない
  4. 運動療法 心血管症のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う
  5. アルコール制限 エタノールで男性は20〜30ml/日以下、女性は10〜20ml/日以下
  6. 禁煙

高血圧治療ガイドライン2004より

塩分を少なくする方法

家庭編


外食編

鶏ひき肉のわかめ入りハンバーグ(1人前)
高血圧予防・改善のためのレシピ

鶏ひき肉40g、カットわかめ1.5g、長ネギ30g、もめんとうふ20g、ショウガ2g、パン粉5g、牛乳10g、卵10g
油2g、低塩中濃ソース2g、粒マスタード2g、 レタス20g、ミニトマト20g
  1. わかめは水に戻し、ざく切りにする。ネギ、ショウガはみじん切りにする
  2. 豆腐はペーパーにのせ、電子レンジで水分を飛ばした後、つぶす
  3. パン粉は牛乳に浸しておく
  4. [1][2][3]とひき肉、卵を混ぜ合わせ、形を整える
  5. フライパンに油を熱し、[4]のハンバーグを焼く
  6. 付け合せのレタスは、ざく切りにしてトマトを飾る

※好評であった高血圧対象の減塩メニュー。ソースをひかえ、粒マスタードの辛味で減塩が可能に

資料提供・旭ヶ丘クリニック管理栄養士の高野さん


このページの内容は2007年11月2日現在のものです。





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