春うらら。ようやく少し気候が和らぎ、散策でもしようかという季節になりました。今回は、県内各地に残る城跡のごく一部を紹介します。わずかに痕跡が残るだけの城跡が大半ですが、周りの景色を眺め、戦国時代に思いをはせるひとときもいいものです。

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「ここ数年で、城跡めぐりブームの高まりを感じている」と話すのは、約10年かけて、県内の城跡を100カ所以上訪れている奈良・近畿の城郭・戦国歴史研究会の西野剛史さん(27)。自身のホームページでは、これまでに巡った奈良の城郭を地域ごとに分けて紹介しています。また、インターネットのコミュニティーサイトには、城跡めぐりのコミュニティーができており、20代〜40代の男性を中心に城跡に関する情報交換がなされているそうです。テレビ番組でも城跡めぐりがユニークな趣味として特集され、注目度の高さがうかがえます。 城と言うと立派な石垣と天守閣をイメージしますが、西野さんのように城跡めぐりを趣味とする人にとっては、痕跡があまり残っていない山城こそ魅力的。市史や町史で城の歴史を事前に調べて、役場で縮尺地図を購入し、方位磁針を手に里山を散策します。「楽しみ方は人それぞれですが、わずかな遺構を見つけたときの達成感はひとしお」と西野さん。地形を確認しながら、縄張り図を描くのも楽しみだそうです。 |
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財団法人日本城郭協会が選定している「日本100名城」に、奈良県で唯一選ばれているのが高市郡高取町にある「高取城」。標高583.3mの高取山山頂に築かれた典型的な山城で、南北朝以来、越智氏・本田氏・植村氏の居城となりました。たかとり観光ボランティアガイドの会の森下祐一さん(80)は、「要害堅固で美しく、比行(ひこう)の高さが日本一。高取城は、権力者にとって魅力的な山城だったのでしょう」と話します。 国の史跡である高取城跡は、二ノ門より内の城内で周囲約3km、札の辻より城側の郭内で周囲約30kmという広さ。楼閣などは消滅しましたが、本丸や二ノ丸約10kmの石垣は残っています。昨年には、奈良産業大学の学生有志による高取城CG再現プロジェクトが完成し、今では見られない高取城の姿がCGでよみがえりました。高取町観光案内所「夢創舘」(むそうかん)では、再現CGの映像を、現在の城跡の映像と対比した動画で見ることができます。城跡を訪ねる前に観賞すると想像が膨らみ、より散策が楽しめます。 「夢創舘」 高取町上土佐20-2 |

[1]椿尾城跡「信貴山城」「龍王山城」と並び、大和三大山城の1つと言われる「椿尾城」は、筒井順慶が松永久秀と戦う上で非常に重要な役割と果たした山城です。創部約40年の歴史をもつ奈良大学城郭研究会の須田雄介さん(20)らの案内で、椿尾城跡をたずねました。 椿尾城があったのは、奈良市と天理市の境である五ケ谷付近。標高約520mの城山は、遠くから眺めると雄大でどっしりとした印象を受けます。城跡には木々が植わっていて、慣れていないと見逃しそうな遺構ばかり。唯一、目印となるのは、精華小学校健足クラブと書かれた二の丸跡を示す標識で、辺りは確かに人工的に造られた平地や石垣があり、城郭を想像できました。 年に一度、大学の学園祭で研究発表を行っている須田さんは、「城跡をめぐることで地元の人と交流できるのも楽しみ」と言います。県内には400以上の城があったとも言われています。宅地開発などによりその痕跡はなくなりつつありますが、ロマンある伝承として語り継がれてほしいものです。 |
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[2]宇陀松山城跡今も風情ある町並みが残る宇陀市松山地区。「宇陀松山城」は、町の東側にある古城山に、沢氏と並んで宇陀郡を領分する国人である秋山氏の本城として築かれました。その後、豊臣秀長の大和郡山入部に伴い、秋山氏は退去。関が原の合戦後には、福島孝治が入城しました。 2006年、国の史跡に指定された城跡は、大宇陀・榛原・菟田野地域が一望できるよう整備。まちづくりセンター千軒舎で「15分ほどで登れますよ」と聞き、さっそく赴くことにしました。 まずは、松山西口関門から、石垣積の櫓台が残る春日門跡を通り、春日神社へ。手洗所とちょうど逆方向に、ひっそりと松山城登山口の立て看板があります。幅1mほどの狭い山道を道なりに、風に揺れる葉の音を聞き、汗をかきながら登ること15分。想像以上に広々とした城跡に到着しました。随所に、石垣などの痕跡を見ることができ、町を見下ろせば城主気分の絶景。昔の栄華がしのばれます。 |
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財団法人日本城郭協会は40周年を記念して、城郭愛好家からの推薦や専門家による選定会議を経て、「日本100名城」を選定。100名城を探訪するスタンプラリーを実施している。奈良県では、高取城が選ばれており、たかとり観光案内所「夢創舘」でスタンプが押せる。すべてのスタンプがそろい、登録を望む人は、スタンプ帳を協会事務局宛に送付すると、「祝登城完了!」の印と登録順位を記入して返送されるとともに「城郭ニュース」およびホームページに名前が発表される。詳しくは財団法人日本城郭協会まで
↑近畿で世界遺産の姫路城や国宝の彦根城、信長の安土城、秀吉の大阪城などが選ばれている。
このページの内容は2008年3月7日現在のものです。
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