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龍王社 (生駒市) 住宅地の小さな社 鹿の足跡を残す石

龍王社

 開発が進んで大きな新興住宅街になっている鹿ノ台。昔は鹿がたくさん生息していたことから鹿畑という地名になり、開発された部分が鹿ノ台になった。ここの鹿が春日大社に奉納されたと鹿畑の氏神である素盞鳴(すさのお)神社の記録に残っているそうだ。鹿ゆかりの話はそれだけでない。新興住宅街の一角にある小さな社に鹿の足跡が残っている石があると伝え聞いて訪ねてみることにした。

 

 鹿ノ台住宅地、商店や銀行があるバス通りから中央公園の北側の道を西に進む。すべての区画に家が建ち、社があるようなイメージはないが、住宅街の西の突き当りまで進む。そこから北の方向に進み1筋目をさらに西に進んだ場所に社はある。案内のための目印も看板もない。おそらく住民に聞いても知らないような場所だ。

 

 住宅の1つと同じ大きさの敷地に社がぽつり建っていた。鳥居に「龍王社」と書かれているだけで、いわれも何も書いていない。住人の姿も見ることもなく静かな場所にあった。

 

 祠(ほこら)の横に鹿の足跡のような窪みがある石があった。本当にこれがご神体なのかと思うような1mほどの小さな石だった。人が間違って踏んでも腰掛けても気づかない石である。

 

鹿の足跡の石

 “東の方の丘に、鹿ノ足跡と思える窪みをつけている奇岩があった。村の人たちはこの不思議な石を神として祀ってきた。祠を立て村中の神として、大昔から今日まで祭り続けられている神は、龍王四天で雨の神様である。”―生駒市誌のちに調べた生駒市誌には写真掲載もあって、先ほどの石がご神体であることを示している。社は住宅に3方を囲まれ、後ろが崖になっている。昔は何もなかったであろうこの場所に近代建築の波が押し寄せ、鹿ももうここにはいない。さぞ雨の神もおどろいているのではないだろうか。(え)

アクセスマップ

地図

龍王社

生駒市鹿ノ台

※このページの内容は2009年11月20日現在のものです。

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