音羽山観音寺 後藤住職の花だより ムカゴ採り編
ムカゴはヤマイモのつるの部分にできる小さな肉芽。秋の味覚の一つになります。住職のムカゴ採りが始まりました。どんな小さな粒でも見逃しません。住職の目は真剣そのものでした。
やぶをかき分けて枝を引っ張って収穫
秋の花について話を聞こうと庭に出たときのことです。
「あら、ムカゴがこんなにあるわね。次の御縁日(毎月17日)にムカゴごはんを炊こうかしら」
優雅な言葉に聞こえたのはここまで。ムカゴが付いているヤマイモ、ヘクソカズラ、アマチャズル、3つのツルがからまった植木に向かいます。下の部分は記者が、住職は不安定な丸太に乗ってムカゴを採って、手桶に入れていきます。隣の木にからみついたツルは枝を引き寄せて収穫。
「あらカマキリの卵があるわ。今年のかしら?」
そっと卵を避けてムカゴを採ります。
「ヤマイモのツルは1年限りなの。抜いた方がいいわね」
手繰り寄せてツルを切っていきます。
「フェンスの外に捨ててくれる?動物が食べてくれるから」
まったく無駄がありません。
ムカゴ採り白熱 雨がさまで登場
次はジャコウソウやクコが生えているところのムカゴを片づけます。ここもヘクソカズラと一緒にからまっていました。
「落ちたムカゴは全部拾わないと!ムカゴを採る目的で生やすのはいいけれど、ムカゴから芽が出て、庭がヤマイモだらけになっちゃう」
似たような石ころだらけのところに落ちたムカゴは区別が付きにくくて大変です。
「石かムカゴか分からないね。石を食べちゃうかもしれないわね」と笑います。
雨どいに伝うムカゴもツルごと落とします。住職が下で雨がさをひっくり返して構えていました。毎年、このようなことが行われているのでしょうか。小さな粒もすべて拾い上げて、ムカゴごはんにできるくらいの収穫になりました。
【音羽山観音寺】
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門。
※このページの内容は2022年11月4日現在のものです。