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ファイナンシャル・プランナーに聞くお金の話【2】‐老後資金計画に選択肢が増える!

 

 

 生活するのに誰もがかかわる「お金」の問題。お金に関する耳寄りな情報を、お金のプロであるファイナンシャル・プランナーに聞く連載。第2回は「老後資金計画」に関係する話です。

 

老後資金計画に選択肢が増える!
75歳で年金受給開始すると65歳時点より84%増額に

 人生100年時代、長い老後生活の資金が心配なところです。しかし、新たな選択肢が増えます。

 

 年金制度改正法の施行に伴い2022年(令和4年)4月以降、昭和27年4月2日以降生まれの方が対象になりますが、老齢年金の繰り下げが75歳までに引き上げられます(現在70歳まで)。

 

 現在、老齢年金は65歳で請求せずに、65歳以降70歳の間で申し出た時から繰り下げて請求できます。繰り下げ受給の請求した時点に応じて、ひと月あたり0.7%の年金が増額されます。増額率は繰り下げ月数×0.7%で計算します。

 

 70歳まで繰り下げると65歳時点の年金受給額より42%増額されます。それが75歳まで引き上げられると75歳で年金受給開始すると65歳時点の年金受給額より84%増額されます。

 

誰もが繰り下げ受給して良いわけではない!

 増額された年金は一生涯続きますので老後生活の安心材料になります。しかし、誰でも繰り下げ受給が良いかというとそうでもありません。検討してみて良いのは次のような人です。

 

①年金受給開始までの生活費を働いて収入を得ることができる人

 

②勤労収入が少なくても不足分を賄える預貯金を保有している人

 

 次に気を付けていただきたい主な注意点です。

 

①繰り下げ受給をした結果、受け取る年金額が多くなるので所得税や住民税の負担が重くなる

 

②国民健康保険料や介護保険料の負担が多くなる可能性がある

 

③現役並みの所得に該当すると医療費の自己負担が3割負担、介護保険の利用も2割もしくは3割負担になる可能性がある

 

選択肢が増えたので時間のあるうちから早めに検討を

 年金の84%増額は大変魅力のあることですが、年金の受け取り間近に慌てて考えるのではなく、まだ時間のある早いうちからじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

 

 健康状態や老後資金などを考慮し、繰り下げることでの不利益を抑えるため、最適な選択肢を考えることが重要です。選択肢が増えることは良いことです。

 

 

 

【情報提供】

CFP®認定者 

廣澤牧子さん

 

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※このページの内容は2022年2月18日現在のものです。

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