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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.4「生理痛」にお悩みの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに答えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、女性の健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は、毎月訪れる「生理」についてのお話です。

 

 

いろいろな役割がある生理は周期性があり不調を伴わないもの 

 

 女性にとって毎月訪れるにもかかわらず、深く考えたことがないという声も多い生理について、紹介したいと思います。

 

 女性の生理は、単に妊娠に必要というだけでなく、いろいろな役割があります。体質を表すサインであったり、今おかれている環境の影響を受けたり、精神面にも影響しています。個人差はあるとはいえ、生理の基本を把握しておくことは、それこそさまざまなメリットにつながることでもあると思います。

 

 生理は周期性のあるリズムを繰り返すものですから、月によって早まったり遅れたりバラバラということはありません。その周期はだいたい28日~30日程度で、短かすぎたり長すぎたりするのは、何か問題がある可能性があります。

 経血の色は、絵の具の赤色より少し暗めの色のイメージ。黒っぽかったり、逆に赤色絵の具を水で薄めたような印象にならない範囲が正常な色。一般的な期間は5日~7日程度です。体調面では大きな不調を伴うこともなく、日常生活に支障をきたすような辛さはないものです。

 

生理痛があるのは普通ではない

漢方的に大きく2つの状態  

 

 中でも生理痛があるという方は多いようです。 生理痛に悩む女性も多いですが、もっと怖いのは生理痛があるのに悩んでいない、つまり生理の痛みはあるのが普通のことと受け入れているケースです。

 生理は、デトックスや心身のバランスを整える作用もありますから、痛みがあるということは、老廃物やストレスをため込んでしまっていたり、感情面も安定感がなく気付かないところで無理をしていたりすることも考えられます。

 つまり、ストレスや冷えなどによっても生理痛が悪化することがあるわけですが、漢方的に生理痛が起きる状態としては、大きく2つの要素が考えられます。

 

①血行が悪い体質  

 

 ひとつは、いわゆる血行が悪い体質で、経血がドロッとして黒いレバーのような塊が混じっていたり、経血の色も、どす黒い感じのものです。生理が始まろうとしても血液の排出がスムーズでないため、強い痛みとともに排出しようとします。子宮内膜症や子宮筋腫を伴う場合には、経血量が多く貧血になってしまうこともあります。

 

②必要な血液の量や気に不足がある  

 

 もうひとつは、生理を起こすのに必要な血液の量や巡らせる力(=「気」といいます)に不足がある場合で、どちらかというと生理自体も体には負担になっており、激しい生理痛ではありませんが、生理の後半や終わってから頭痛やめまいやだるさなどの不調も起こりやすくなります。特に経血の色が黒っぽかったり、レバー状の塊が混じるのは、血流が悪く、経血も新鮮でない状態が考えられます。

 このような状態を漢方では「瘀血(おけつ)」といい、体質として不妊の要因となったり、全体の健康という面でも不調や病気の要因の一つとしてとらえています。慢性的な瘀血は、昔から「血の道症」といわれ、婦人科系の不調の原因としても注意が必要とされてきました。

 

体質は日々の食事や生活習慣の積み重ね  

 

 生理は不快・不調を伴うものではありません。

 もし、生理の度に痛みがあったり、心身のバランスを崩したり、苦痛に耐えるような場合は改善の余地があると考えて、早めに対策を始められることをおすすめします。

 なぜなら、体質は日々の食事や生活習慣の積み重ねによってつくられるものですから、そう簡単には変わらないのです。  

 そういう点で、漢方のように体に無理をかけずに、生活の一部として取り入れ習慣にすることで、体質そのものを変えていこうという働きかけは効果的です。

 漢方には、補う・巡らせる・整えるという作用があります。不足している気血を補い、血流の滞りをなくして本来のスムーズな状態にすることで理想の生理を維持していきましょう。

「漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~」過去のお話はこちらから

※このページの内容は2022年4月15日現在のものです。

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