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音羽山観音寺 後藤住職の花だより 2022年まごころ便編

 音羽山観音寺の「まごころ便」は住職手作り品がいろいろ入った支援者に贈る物の名称です。2016年、ならリビングが住職の手づくり品を販売した時に、この名称を使うことになりました。標高600mの音羽山観音寺から、手作りのまごころ便がどのように発送されるのか見てきました。

 

5人のチームワークでまごころ便が作られる

朝、開門前。
日が森に差し込む

 

 まごころ便を発送する日の朝8時。手伝いとして集まったのは、潤子さん、やっちゃん。前の日から寺に来て作業をしている倉本さん夫妻の計4人。

 倉本さん(夫)は商品の梱包と商品ラベルを担当。ヒノキのオガクズが入った箱を並べていました。倉本さん(妻)はガラスビンの煮沸消毒の担当です。

 

温度管理が大事。
ビンを煮沸消毒

 

 「ビンは1000個発注したから数は大丈夫」と住職は話します。

 テーブルの上に、今日のまごころ便の内容のメモ。

 

黄色が多い。
この季節ならでは

 

 それを見ながら潤子さん、やっちゃんは、無言でプラスチック容器に入ったゆずジャム、麹南蛮(こうじなんばん)を、消毒済みビンに入れてグラムをはかっていました。

 

潤子さんとやっちゃんが詰め始める

 

 前日までに詰め物を完成させておきます。当日は詰めるだけにしないと、発送に間に合わないそうです。

 詰め終わったビンは保健所の指導通り、90度の湯で15~20分、50~60度で5分、ビンが割れないように少しずつ水を足します。さらに冷水で20分つけ置きしてから引き揚げるのです。

 「ビンのフタが湯でゆるむのよ。締めなおさないとね」と、ぬれたビンをふく住職。

 

熱を加えるとふたがゆるむ

 

 そう話している間でも参拝の人が訪れます。本堂と台所を行き来する住職。全員、どこか持ち場について動いていました。

 

参拝者来訪。
急いで本堂へ

 

まかないは住職担当 日暮れまでに配送を

 全国各地の御供物が届く音羽山観音寺。どんなご当地のものでも住職は料理します。お昼ごはんは仙台麩で作った丼です。油で揚げてある麩は肉に近い味がしました。

 

本日のまかない。
仙台麩の丼、みそ汁、新ワカメの酢の物

 

 昼食後、郵便局の営業時間に間に合うように箱に詰める作業が待っています。

 潤子さんは袋を毛糸でくくっていきます。倉本さん(夫)が内容量と原料を聞いて、ラベルを作っていました。まごころ便を発送する日に合わせて、信者へ発送する荷物づくり、また寺で販売する食品も一緒に作ります。

 

ソーシャルディスタンスで作業する倉本さんと潤子さん

 

 背負いかごに3つ分。まごころ便ができあがりました。

 

玄関は荷物で いっぱい

 

 「いつも営業時間ぎりぎりで郵便局に『待ってて』と電話しているの。郵便局の職員の方々が表に出て待っててくれてね。今日は大丈夫、間に合うわ」とうれしそうな住職。

 住職と倉本さん(妻)が郵便局まで荷物を運び、残った者で掃除、片付けをします。

 

(左)1回目車まで荷物を運ぶ。
(右)2回目まごころ便を運ぶ、このまま郵便局へ

 

 全員が寺に戻ったら、休憩します。

 「こんなに早く終わったん初めてやわあ」とニコニコする潤子さん。いつもは何時になるのかという記者の問いに「家に帰るの8時(夜の)くらいかなあ」と続けて話します。

 

最後にお茶を目の前の柑橘類はこのあと皮を全部むかれていた

 

 目の前にコーヒーとケーキ、御供だった柑橘類が置かれていました。柑橘類はそのままではなく皮をむいた状態でナイロン袋に入れて「はいっ」って手渡ししてくれました。

 「いつもは皮ちょうだい。と言って渡すのよ。皮をむくのを待ってる時もあるの」と住職。

 皮は次のジャムにするそうです。

 記者が下山した時間は18時50分。日はとっくに暮れていました。

 

この日、忙しくて誰も見てない住職の庭の花

 

 

 

【音羽山観音寺】

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km

※このページの内容は2022年4月15日現在のものです。

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