AIアートってどんなもの?ー体験してみました
近年「AI(人工知能)」という言葉が定着し、私たちの生活でも気づかないうちに、いろいろな場面でAIが活用されています。身近なものであれば、スマートフォンの音声アシスタント機能や自動車の安全運転サポートシステムなどがあります。ニュースで話題になった「ChatGPT」もその一つです。この人工知能(AI)を使って画像を生成するのが「AIアート」で、画像生成AIと呼ばれています。
AI画像を作成するサイトやアプリで、作りたい画像の文章や単語を入力すると自動で画像を作ってくれます。
そんなに簡単にできるものなのかどうか、手作り作家活動をしながらAIアート作品も手掛けるみやも人形さんに教えてもらいました。
タブレットを使ってAIアートを生成中のみやも人形さん
やってみたら「楽しい」
みやも人形さんは、「Midjourney(ミッドジャーニー)」という海外版の画像生成AIサービスを利用して、AIアートを作成しています。
表示は全て英語表記なので、みやも人形さんも「わからないことも多いです」と苦笑い。入力も英語ですが、そこはGoogle翻訳を活用しているそうです。
気になる単語をGoogle翻訳に日本語で入力し、英語に変換。変換した英単語をコピーして、ミッドジャーニーに入力すると、1分程度で4種類のアートが生成されます。その中に気に入ったものがあれば、それだけを選択して、さらに変化を付けることも可能です。
また生成した画像は、さらに画像編集ソフト「illustrator(イラストレーター)」を使って微調整することもできるそうです。
せっかくなので、みやも人形さんに作ってもらいました。希望した単語は「かわいいハシビロコウ、ラブリー、お花、カラフル、ステンドグラス風」です。1分ほどで簡単に画像ができました。
生成されたAIアート画像
ルールやモラルを守って
AIアートに対しては賛成反対いろいろな意見があるそうです。もちろん、人工知能が導き出した画像を“アート”と言えるのかという考え方の人もいるでしょう。酷いものでは、著作権のある素材を使って生成したものや、フェイク(偽物画像)を生成している場合もあります。AIアートは、このうな法に触れる作品を、簡単に作れてしまう恐ろしい一面も持ち合わせています。
みやも人形さんもその点について警鐘を鳴らします。「一歩間違えば、AIアートのイメージダウンになるのはもちろんのこと、最悪は法に触れるものを作ってしまうこともあります。ここはアーティストとしてしっかり守るべきモラルだと思います」と話します。
手作り作家という立場で活動しているみやも人形さんは、生成したAIアートを、オリジナルアレンジを施したフレームに入れることで、一つの作品として販売しています。
コミュニケーションや作品アイデアのツールとして活用
SNSのライブ配信では、配信をみている人からアイデアを募って、提案のあった単語を使ってAIアートを作成すると、配信がとても盛り上がるそうです。「想像とは全く異なった画像が出てきて、みんなで大爆笑したりしながら、AIアートを楽しんでいます」とみやも人形さん。
また本業の人形作りのためのアイデアを考えるためにAIアートを使うこともあるそうです。使い方次第で、とても素晴らしいツールになることがわかりました。
日々進化するAI機能。便利で楽しめる一方で、法に触れてしまうような危険な面も持ち合わせていることを忘れずに活用できればと思います。
最後に奈良といえば「鹿」ということで、「お菓子の国にいるかわいいバンビ、水彩画、パステル」で生成してもらいました。
どんなバンビちゃんになるかワクワクしながら待ちました
今回の取材で完成した作品
【協力】
みやも人形さん
※このページの内容は2023年9月29日現在のものです。