1. マガジン
  2. 暮らしアップデート
  3. 漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.50 「ダイエット」を考える方へ

MAGAZINE

 / 暮らしアップデート

漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.50 「ダイエット」を考える方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに応えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。記念すべき50回目の今回のテーマは「ダイエット」。いろいろなやせたい理由はあるでしょうが、「健康になるため」という目的に向かって自分にあったダイエットを見つけましょう。

 

 

自分に合ったダイエットの方法を

 「ダイエットをしなければ」と感じるきっかけは、人それぞれですね。体重計の数字、健康診断の結果、服のサイズの変化。あるいは、生活習慣病予防や疾病対策の観点から、体重管理を意識される人もいるのではないでしょうか。
 いざ、ダイエットを始めたいと思った時、糖質制限、断食、サプリメント、最新メソッドなど、情報が多いほど、迷いも深くなり「何を信じて取り組めばよいのか分からない」といった声も聞かれます。
 我慢やしんどい思いはしたくない、やせたいけど老け込みたくない、などダイエットへ向かう意識も人それぞれですから、自分に合った方法を見つけることも大切です。
 厚生労働省の国民健康・栄養調査では、日本人成人の約3割が肥満(BMI25以上)に該当する一方、体調不良や栄養不足を伴う無理なダイエットも問題視されています。
 例えば、若い頃のダイエットで無理をしてしまい、長年体調が戻らない、という人や過度の食事制限などで体が弱ってしまった、という相談も寄せられます。
 体重管理は必要でありながら、その「やり方」が健康を遠ざけてしまうこともあるのも現実です。
 ここでは"○○でやせる"というより、どうやって"適正な状態"へ近づけるか、ということをご紹介したいと思います。

 

体重は結果であり、原因は体の状態にある

 前提として、「体重は結果であり、原因は体の状態にある」ということです。
 つまり、体重を減らす前に、体の状態を整えることが先という考えです。
 体の状態を無視した減量をすると、その無理をカバーするためにどこかに問題が生じてしまうという経験がある人もおられるかと思います。
 体重は、日々の食事量だけで決まるものではありません。代謝、血流、ホルモン、自律神経、腸の働きなどが複雑に関係した「結果」として現れます。

 体重だけを指標にすると見逃されやすいのが、冷え・むくみ・腸内環境といった、体の内面の状態です。

 

◎"燃えにくさ"の要因 「冷え」

 「冷えは女性の悩み」と思われがちですが、近年は男女問わず、慢性的な冷えを抱える人が増えています。
 冷えは単なる不快症状ではなく、代謝低下を示しています。
 体温が低い状態では、酵素の働きが鈍くなり、エネルギー産生効率が下がります。つまり、同じ量を食べても、エネルギーとして使われにくく、脂肪として蓄積されやすくなるのです。
 冷たい飲み物や生野菜中心の食事、運動不足、過度な食事制限などは、体を内側から冷やし、結果的に「やせにくい体」をつくります。
 漢方でも、体を温める力が弱ると、巡りが悪くなり、余分なものが溜まりやすくなると考えます。

 

◎"体重が落ちない"要因 「むくみ」

 食事量を減らしたのに体重がなかなか減らない原因は、脂肪だけでなく体内の水分バランスが乱れ、むくみが慢性化していることもあります。
 むくみは、血流やリンパの流れ、腎臓の働き、自律神経の影響を受けます。
 長時間同じ姿勢で過ごす生活、塩分の多い食事、冷え、睡眠不足などが重なると、余分な水分を排出しにくくなります。
 漢方的には、体の巡りが滞ることで、水分代謝がうまくいかなくなった状態と捉えます。むくみを放置したまま体重だけを減らそうとすると、必要以上に食事量を減らしてしまい、体調を崩す原因にもなります。
 「体が重い」「夕方になると靴がきつい」などは、ダイエットを見直すべきヒントです。

 

◎"体重の制御がきかない"要因 「腸内環境」

 近年、腸内環境が健康状態に大きく関係する点が話題になっています。
 腸内細菌は、食べ物からエネルギーを取り出す効率や、脂肪の蓄積、炎症の起こりやすさにも関与しています。
 腸内環境が乱れると、栄養をうまく吸収・利用できず、血糖値の変動が大きくなり、過剰な食欲につながることがあります。
 また、慢性的な便秘や下痢は、体内のリズムを乱し、代謝にも影響します。
 漢方では、消化吸収を担う働きが弱ると、エネルギーに変換されないものが体に溜まりやすくなり「食べているのに使われていない状態」と考えます。
 腸内環境を整えることは、体重管理だけでなく、肌状態や免疫、精神面の安定にもつながります。

 

体のためになるダイエットを目指して

 世代によっても、体の課題との向き合い方を整えることで"体のためになるダイエット"をめざすことができます。
【20~30代】
 基礎代謝が高い反面、生活リズムの乱れが体重に直結しやすい時期です。冷えや腸内環境の乱れを放置すると、将来的な代謝低下の要因をつくってしまうことがあります。
【40~50代】
 筋肉量の低下やホルモンバランスの変化が重なり、むくみや冷えが目立ちやすくなります。この時期は、体重を落とすことより、体の働きを維持することに目を向けていくことが大切です。
【60代以降】
 やせすぎが健康リスクになることもあります。腸内環境や栄養状態を保ち、元気に動ける体を維持することが、結果として安定した体重につながります。

 

 健康的なダイエットでは、体重が変わる前に、体の調子が変わります。
 例えば、冷えにくくなる、むくみにくくなる、便通が安定する、眠りが深くなる、といった代謝や自律神経が整ってきたことが実感として現れます。

 体重計の数字だけを追いかけるのではなく、「体がどう変わってきたか」に目を向け、健康になることが、結果的に近道になるかもしれません。
 ダイエットは短期的な我慢比べととらえるよりも、「体の調子を整え、その結果として体重が変化する」という順序を守ることで、無理なく、リバウンドしにくい体づくりが可能になります。
 目の前のやせたい理由は一人ひとり違いますが、その先にある「健康になるため」という目的を念頭に置いてそれぞれに合ったダイエットを見つけていきましょう。

※このページの内容は2026年2月20日現在のものです。

関連記事


PR参加イベント:申込受付中


PRリビング通販:人気商品