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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.19「夏の食養生」について

 漢方理論をもとに女性の悩みに応えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は体調を崩しやすい夏に気を付けたい「食養生」についてのお話です。

 

 

体温調節や暑さへの対応に食養生を

 

 「暑い季節は水分をしっかり取りましょう」と意識されている方も多いと思います。それでも実際のところ、そんなに暑くもなく汗をかいたわけでもないのに、気づくと脱水状態になっていたり、逆に水分を取り過ぎて体調を崩してしまったという話も聞かれます。
 汗をかかないように冷房をつけて生活をして、快適なはずなのに頭痛やだるさを感じている方もおられるのではないでしょうか。
 体温調節や暑さへの対応が難しいときこそ、食養生が有効ではないかと思います。
 食べ物によって体調を整え、病気の予防や健康維持を目指す考えを「食養生」といいます。
 夏を不快に感じさせるのは、気温(暑邪)だけでなく、湿度(湿邪)も関係します。
「暑邪(しょじゃ)」により発汗すると、体力を支えるエネルギー源である「気」と潤い分である「陰」の両方を消耗し、頭がぼんやりしたり、ほてりや動悸が起こったりします。
 さらに発汗により血液が濃縮されてドロドロ血になると心臓への負担も大きくなるので要注意です。

 

水分の取り方に注意を

 

 大切なポイントである水分摂取ですが、体質によってはトラブルの要因となってしまうこともあります。
 暑いからといって冷たい水を多飲したり、脱水予防といって水分を取り過ぎると、胃が冷えてしまい、胃腸の働きが弱って、胃もたれや食欲不振などから消化吸収がうまくいかなくなってしまいます。
 健康を維持するための栄養である「気」「血」「水」は飲食物からつくられるため、胃腸の働きが低下すると、気力低下や疲労感、ふらつきや貧血、のぼせやほてりといった不調も起こりやすくなります。

 水分の取り方として、同じだけの量を飲むにしても、一気に飲むのではなく、ゆっくり少しずつ取るようにしたり、温度も必要以上に冷やしたものでなく、常温または体を一気に冷やし過ぎない程度で、ミネラルや電解質を含むドリンクなどがおすすめです。

 

旬の食材で夏を上手に乗り切って

 

 体調を崩しやすい夏という季節を上手に乗り切る方法として「旬の食材」が役立ちます。
 こもった熱を冷ますとともに弱った胃腸を助ける作用を併せ持った夏野菜や、身体に無理をかけずにバランスを整える作用を持つものもおすすめです。

 

◎体内にこもった熱を冷ます:苦味(苦瓜)や酸味(レモン、酢、梅干し)など
◎水分代謝を整える:ウリ系(冬瓜、キュウリ、すいか)・トウモロコシ・小豆・なす・トマトなど
◎自律神経を整える:紫蘇・ハッカ・ジャスミン茶など
◎血行をよくする:タマネギ・マイタケなど

 

 冷房のきいた室内と戸外の温度差で、体温を調節する機能が追いつかず自律神経のバランスの乱れによる不調も起こりやすい時期です。
 食養生に加え、睡眠や気分転換などでも体調を整えながら、元気に夏を楽しみたいですね。

※このページの内容は2023年7月21日現在のものです。

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