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笑って育って - 多様な性や生き方があることを知って

 LGBTという言葉は、最近よく耳にするという人も多いのではないでしょうか。しかし、まだまだテレビの中のことと思われていることも多いのが現実です。LGBT当事者であり、各地で講演活動も行う定政輝さん(29)に話を聞きました。

 

全体の13人に1人は 性的マイノリティ

 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った言葉で、性的マイノリティの総称の一つです。ほかにも様々な「性」があります。 定政さんは生まれた時の性別は女でしたが、物心がついたころから自身の性別に違和感を感じていたトランスジェンダー当事者です。幼いころからスカートやフリルの付いた服は嫌いで、中学校のセーラー服には抵抗を感じました。

 高校生の時には男の人を好きになれず、彼女ができましたが友達には打ち明けられませんでした。「それってレズ」「気持ち悪い」など言われる怖さと、嫌われることへの恐怖感がありました。

 

家族に打ち明ける恐怖 就職活動でも悩み

 一番打ち明けるのが怖かったのが、親や家族でした。家族から自分を否定されたり、縁を切られることへの不安は、友達以上に大きいものでした。

 20歳になって、一人で生きて行く覚悟も決めた上で、家族に打ち明けました。すると、それまで悩みに気付けなかった後悔を口にしてくれたそうです。その後、ホルモン治療、改名、性別適合手術、戸籍の変更と手順を踏んで今は男性として生きています。

 しかしその間、就職活動の時にはまず履歴書の性別欄で丸を付けることができず悩んだり、職場でみんなの前で話されるパワハラカミングアウトが行われたりと、さまざまな葛藤や辛い出来事もありました。性別を変えて地元で暮らすことに生き辛さを感じ、大阪で独り暮らしもしました。しかし、生まれ育った地元で性的違和の現状を伝えていく必要があると、今は働きながら県内外で講演活動などを続けています。

 

県内外で講演会を行う定政輝さん

正しい知識を広く伝え 一人で悩まず話せる場を

 講演活動を続ける中、性的違和で悩む小学生親子と出会ったことから「Rainbow奈良cafe」を開催。同じ悩みを持つ人たちと話せる居場所を作っています。また、昨年秋には奈良で初めての「RAINBOW FESTA」も開催しました。RAINBOWとは、LGBTのシンボルカラー。グラデーションで性の多様性を表しています。

 「多様な性があることを知ってほしい。身近な人に伝え、絵本や本、イベントがあることを伝えていってほしい」と定政さん。「マイノリティは個性であり、みんなの個性を認められる環境づくりをしたい」と話します。

 

 

 

【メモ】

LGBT支援団体 RainbowCreate
http://m.lgbt747.webnode.jp/

E-mail:sadamasahikaru@gmail.com

※このページの内容は2019年4月5日現在のものです。

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