介護の快適空間づくり
安全で快適な住空間 介護のストレス軽減にも
介護には時間、体力、精神力、金銭などさまざまな負担が発生します。特に自宅介護となると、精神的負担は大きいものでしょう。そのためにも生活空間は快適にしたいものです。どのようにしてストレスフリーな環境を整えるか、自身も家族の介護経験を持つ整理収納アドバイザーの中西彰子さんに、介護における整理収納ポイントを聞きました。
整理整頓の目的を決める
片付けを始める前に大切なことは、目的を決めることです。漠然と「きれいにしたい」だけでは、どこから手を付ければよいか分かりません。ベッド周辺での介護を快適に行いたいや、家の中を安全に歩けるようにしたいなど、どこをなんのために片づけるのかしっかり考えてから取り掛かりましょう。年配の人の中には、片付けを拒否する人も多いです。
「汚いから捨てる」と聞くと自分の生活を否定されたと感じてしまうので、「危ないから、場所を変えよう」から始めてみてください。全ての人が納得してくれたわけではありませんが、一つの方法として試してみてください。
チームで取り組む
介護は、1人で行うものではありません。医師や看護師、ソーシャルワーカー、ホームヘルパー、家族などたくさんの人が関わります。みんなで行うという意識を共有し、一緒に環境を整えるようにしてください。また介護の専門家の考えを参考にするのも良いでしょう。
介護や看護に必要なものをまとめた”介護コーナー”を作ったり、おむつやトイレットペーパー、お尻拭き、ボディーソープなどをまとめた”おむつ替えセット”を準備するなど、介護される人の周辺は、誰が見ても分かりやすく、すぐに判断できるシンプルな環境づくりを心がけましょう。
予防としての整理収納
本当は介護のない生活が一番です。介護が必要になった原因の一つに「転倒による骨折」が上げられます。今自宅を見回して、足元に物を置いていたり、小さな段差があったりしませんか。まずは安全な環境作りをすることで、いざ介護になった時も慌てることなく、新たな環境作りに取り組めるはずです。
整理収納アドバイザー。お片付けやお引越しをサポートする「ここちいいへや」代表。
大和高田市在住。
※このページの内容は2021年9月3日現在のものです。