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明日への扉 - 眠っている食材を必要な人へ―フードバンク奈良

 SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にするようになりました。私たちにできることは何でしょうか。フードバンク奈良では、まだ食べられるのに破棄される食品や、個人宅で眠ったままの食品を集め、必要とする人に届ける事業を行っています。

 

こども食堂の食材確保 ニーズは他にもあった

 フードバンク奈良代表理事の平川理恵さん(53)は、6年前に県で初めてのこども食堂を立ち上げました。こども食堂を運営するために食材を無料で手に入れることは大きな課題です。こども食堂が増えて奈良こども食堂ネットワークが作られ、その中心メンバーに食品ロスの問題に関心を持つメンバーが加わり、2017年12月にフードバンク奈良が設立。翌年1月から活動を始めています。

 

代表理事の平川 理恵さん

 「こども食堂に必要な食材を集めたいという思いで始めましたが、食料を求めるニーズはもっと他にもあることに気付きました」と平川さん。例えば、社会福祉協議会に相談には来るものの生活保護の申請を躊躇(ちゅうちょ)している人。児童養護施設を出たばかりの人。更生保護施設を出て自立に向かっている人など、公的支援が届いていない状況の人に、すぐに食べられるものは必要とされていました。

 

本当に必要とする人に 個人からの寄付も重要

 現在は2カ所の拠点で活動を行っています。六条事務所ではこども食堂や児童養護施設、その他支援を必要とする団体を対象に月に2回配付を。奈良市フードバンクセンターでは奈良市の委託を受け、奈良市内の個人を対象に食材を配る準備を行っています。

 配付する食材はすべて寄付されたものです。企業からの寄付に加え、家庭で余った食品を個人やグループで持ち寄る「フードドライブ」という活動で寄付されるものもあります。

 受付されている食品は、

 

①常温で保存できるもの

②未開封のもの

③賞味期限までに1カ月以上あるもの

 

です。特にパックご飯やインスタント食品、レトルトカレーなどが求められているそうです。

 

寄付された食品ひとつひとつ賞味期限を確認している。

 もらったけれど、こだわりがあったり添加物の関係で家では使わない調味料など、眠っている食材はどの家にもあるのではないでしょうか。

 「どのように本当に必要としている人に届けるかが難しい」と話す平川さん。ニーズは多く、まだまだ食品は足りていません。スーパーが定期的にフードドライブを行っていたり、いろいろな団体がイベントなどでフードドライブを実施しています。また、直接フードバンク奈良でも受け付けています。一度、自宅の食品棚に眠っている食品はないか、確認してみませんか。

 

 

 

【メモ】

■フードバンク奈良六条事務所

毎月第1・3火曜日11時~

奈良市六条2丁目17-6-11コープふれあいセンター六条内

 

■奈良市フードバンクセンター

毎週火・木・金曜日/10時~16時 ※スタッフ常駐

奈良市佐紀町2715番地

 

※両事務所とも持ち込みも受け付けていますが、事前にご連絡ください。

TEL:0742・81・3666(火・木・金/10時~16時)

※このページの内容は2022年1月7日現在のものです。

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