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ファイナンシャル・プランナーに聞くお金の話【13】2022年「iDeCo制度改正」と2024年「新NISA」のポイント

 誰もが気になる「お金」に関する情報を、お金のプロであるファイナンシャル・プランナーに聞くこの連載。2023年の最初は資産形成に役立つ「iDeCo」と「NISA」についてのお話です。

 

 

1.確定拠出年金法が一部改正

 

 長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律が公布され、その一環として確定拠出年金法の一部が改正されました。

 

(1)〈2022年4月1日~〉
iDeCoの受取開始年齢の選択肢が拡大

 

 資産の受取は60歳から70歳までの間に開始しなければなりませんでしたが、2022年4月1日以降は、受取年齢の上限が75歳までに引き上げられました。
 運用益は非課税になるので、すぐに受取らずに運用を続けたいという方は、その分長く運用ができるようになるメリットがあります。


(2)〈2022年5月1日~〉
iDeCoの加入可能年齢要件が65歳まで拡大

 

 2022年5月1日からは国民年金被保険者であれば65歳まで加入可能となりました。
 既にiDeCoに加入している方が60歳以降会社で働き続ける場合は、65歳まで税制のメリットを受けながら積立運用ができるので、老後資金の積み増しに有効活用ができます。
 また、企業型DC(企業型確定拠出年金)の加入可能年齢も70歳に拡大されました。 

 

(3)〈2022年10月1日~〉
企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和で企業型とiDeCoの併用が可能に

 

 今回の改正で、規約の定めがなくても、マッチング拠出を導入していても企業型DC加入者がiDeCoを併用できるようになりました。
 但し、併用する場合には掛け金に上限があります。

 

 

iDeCoと企業型DCを併用するメリット

 将来のための余裕資金作りの積み増しができ、iDeCoは掛金全額が所得控除できるので、掛金額が多いほど所得税や住民税の節税額を増やすことができます。
 特に併用をしていただきたい方は、企業型DCの掛金が少額の場合です。

 

 

2.「NISA」が2024年から新制度に

 投資で得られた利益が一定期間非課税になる「NISA(小額投資非課税制度)」が、2024年1月から新制度になります。

 

 新NISAについて簡単に解説をします。
 2014年「家計の安定的な資産形成の支援」と「家計からの成長資金の供給拡大を目的に〈般NISA〉が導入され、2018年には〈つみたてNISA〉が導入されました。
 そして、2016年には、子どもの将来のための資産形成をサポートするための〈ジュニアNISA〉も導入されました。
 令和元年時点で、3制度のNISAを合わせて約1,400万人が利用しており、新NISAをむかえて口座数は増える可能性はあります。

 

【新NISAのポイント】
①非課税枠の大幅拡大と恒久化
②つみたてNISAと一般NISA(成長投資枠)の併用が可能に
③売却枠の再利用が条件付きで可能に

 

(1)主な改正内容

 

(2)期間が5年間延長
 現在の一般NISAで投資できる期間は2023年までですが、新NISAでは2024年以降5年間延長され2028年までとなります。

 

(3)2階建てになり、年間の投資上限金額と投資できる商品が変わります

 

①1階部分は「安定投資」を行う商品で、年間20万円まで5年間非課税で投資ができ、2階部分は、原則NISAと同じ商品で102万円まで5年間非課税で投資ができます。

 

②1階部分で投資できるのは、「つみたてNISA」の対象商品と同じ「投資信託」「ETF」となっています。
 いずれも金融庁の厳しい条件をクリアした商品です。
 それに対して2階部分は、条件付きで上場株式や投資信託など、「一般NISA」と同様の商品に投資ができます。

 

(4)ロールオーバーの仕組みも改正

 

①2019年以降に一般NISA口座で購入した株や投資信託を「新NISA」にロールオーバーできるようになります。

 

②1階部分は、非課税期間終了後、「つみたてNISA」にロールオーバーできます。

 

③「つみたてNISA」にロールオーバーされる際の価格は「簿価」の見込み。ただし、「一般NISA」の株式や投資信託を「新NISA」にロールオーバーする際は、「時価」の見込み。

 

 

3.資産形成なら「つみたてNISA」や「iDeCo」がおすすめ

 

 NISA・新NISA・つみたてNISA・iDeCoと税制上有利な制度がありますが、長期的な資産形成を目的とするなら、「つみたてNISA」「iDeCo」をお勧めします。

 「NISA」「新NISA」は非課税期間が5年間となっており、長期的な資産形成には向いていないと考えます。それに対して、「つみたてNISA」は20年間、「iDeCo」は65歳までと長期的な資産形成に向いていると考えます。

 

※このページの内容は2023年1月13日現在のものです。

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