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ゲーム・動画との付き合い方ー不登校に向き合う

 

※画像はイメージです

 

 「学校に行かない」を選択をした子どもたちは、多くの時間を家で過ごすことになります。すべての子どもに当てはまるわけではありませんが、ゲームや動画に夢中になってしまう子どもが出てきます。その姿を見た親は「このままゲーム(動画)依存になるのでは」と、不安を感じ「規制しなければいけない」と悩み、子どもと対立してしまう人も多いでしょう。 
 ゲームや動画に対し、どのように向き合えばよいか、私設カウンセリングルームを運営する「にじいろたまご」代表で公認心理師の七水ゆきさんに聞きました。

 

健康な生活を作ることが先決

 「うちの子どもはゲームや動画ばかりで…」との相談をよく受けますが「みんなやってます」と伝えると、ほっとする人が多いです。
 まず確認すべきは、時間の長さではなく「なぜ子どもはゲームにはまっているか」です。ゲームをしていれば学校のことが忘れられるから、現実では自分ではできないことがゲームの中ではできるからなど、人によってのめり込んでいる理由が異なります。
 子どもがプレイしているゲームはどのようなものか、どういうところが楽しいのか、できれば少し会話をしてみましょう。
 その上で、夜遅くまで起きていたり、うまくいかずにイライラしているなど健康的な生活が送れていない場合は、「どうすれば健康に生活できるか」を一緒に考えていきましょう。

 

子どもの心の状態に注意

 心がひどく傷ついている時やエネルギーが枯渇している時に、ゲームや動画を制限すると、逆効果になりかねません。また、子どもが将来に希望を持っているかどうかも重要です。ゲームや動画は、没頭することで、嫌なことを忘れられるという一面があります。
 例えば、いじめや裏切りを体験した子どもが、「努力しても世の中はずるい人が勝つ、がんばっても意味がない」と将来を諦めている時、無理に制限するのは禁物です。
 心が満たされているかどうかを見極めて、さらに自分で自分の未来を考えられるようになってから、ゲームとの向き合い方について話し合うようにしましょう。

 

 

親子の信頼関係を構築し
自己コントロール能力を高める

 今から40年ほど前に、家庭用ゲーム機が広く普及しました。その当時から「ゲームをやりすぎるとゲーム脳になる」といったような情報があり、「ゲーム=悪いもの」という意識が定着しがちですが、現在もその根拠は明らかにはなっていません。
 社会全体のIT化が進み、ゲームのやり方も変化しています。ゲーム機だけでなく、スマートフォン、タブレット、パソコンを使い、インターネットを経由して世界中の人と繋がりながらできるゲームもあります。このような社会の中で、ゲームや動画をゼロにした生活を送ることはほぼ不可能でしょう。
 確かにゲームは依存が出やすく、2022年、WHO(世界保健機関)はゲーム依存は国際疾病として認定しました。ただ、これだけを見て「ゲームは悪」と考えるのもまた違います。
 依存にならないよう、まだ親元にいる間に、どうすれば自己コントロールできるかを一緒に考えてみてはどうでしょう。
 親子でルールを考え、将来親元を離れても、自己コントロールできることが子どもにとっても大切なことです。
 親が誘導するのではなく、子どもが自分の将来をどのように歩いていくか、未来を見据えて進んでいくことを、横で支えていきましょう。

 

 

【取材協力】

七水ゆきさん

 

 小学校養護教諭を27年間務め、自身の長男(現在大学生)の不登校をきっかけに、不登校について考えるように。「教育の立場からではなく、本当に子どもに寄り添う活動をしたい」との思いから、カウンセラーとして「にじいろたまご」を開設。

 

不登校、学校・園がしんどいお子さんと親御さんの相談室
にじいろたまご~子どものこころを守る~

 

 

カウンセリング、フリースペース、ワンコイン育児セミナーなどを実施

TEL

080・8501・7254

WEBサイト

https://www.niziiro-tamago.com/

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※このページの内容は2023年8月18日現在のものです。

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