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アートと居場所を融合した「もりのいりぐちで羽休め」ー不登校に向き合う

 2020年春、日本政府は新型コロナウイルス感染症対策として全国の小中学校、高校、特別支援学校に一斉休校するよう要請しました。突然の休校に、全国の子どもや保護者が不安な日々を過ごしました。この休校がきっかけとなって不登校となった子どもも少なくありません。
 「もりのいりぐちで羽休め」は、この休校をきっかけに始まったアートコミュニティーで、学校に行きにくさを感じている小中学生と親が集い、アートをテーマにゆったりとした活動を行っています。この小さなアートアトリエでの取り組みを紹介します。

 

会場は、国内外からのアーティストたちが滞在しながら創作活動を行う

アーティスト・イン・レジデンス「SPACE DEPARTMENT」

 

 

休校をきっかけに居場所づくり

  
 主宰の森野ゆかりさんは、フリーデザイナー。当時、年長だった自身の子どもも休園となり、どうやって過ごすかを考えたのが始まりだったそうです。「せっかくなら幼稚園の友だちも誘って、みんなでやったら楽しいと思ったのが、このアートコミュニティーを始めるきっかけになりました」と話します。
 最初はアート講座をしていましたが、森野さんの友人でスクールカウンセラーの林しげこさんの協力を得て、親子で過ごせる居場所をスタートしました。

 

もりのいりぐちで羽休めの主宰・森野ゆかりさん(左)と親の会担当の林しげこさん

 

 

子どもにも親にも居場所を

 

 開催日は基本的に、第2、第4水曜日の10時~12時。第1部「アートの部」は森野さんが担当で、アートあそびをして楽しみます。やらなくてはいけない課題はありませんが、その日のアートあそびは用意しています。これまでにも、染めや墨あそび、紙コップタワーあそびなどにチャレンジしています。参加したくなければ、する必要はありません。本を読むなど、違うことをしていてもOKです。
 第2部「お話の部」は林さんが担当。子どもたちとは違う部屋に移動して、同じ経験、同じ課題を抱えた親同士が話をします。「こんな時みんなはどうしているか」など、不登校の子どもの親同士だからこそできる話もあるようです。

 

この日のテーマはTikTokの動画作成でしたが、途中からは紙コップ遊びに子どもも大人も夢中

 

 

親の心の支えに

 

 一般的な習い事の教室の場合、子どもだけ参加するパターンがほとんどなので、その場合親から離れらない子どもは参加できません。もりのいりぐちでは、親子で一緒に参加が基本で、後半だけ親と子どもは別に過ごしますが、子どもが親の様子を見に行くのも自由です。
 参加した親からは「ここなら、子どもが離れてくれるので、息抜きができる」という声があるそうです。森野さんは「子どもたちのサポートも必要ですが、ずっと一緒にいる親のサポートも必要なんだと感じました」と話します。
 活動への参加は親だけでも可能です。「親は、子どもが楽しそうに過ごしている姿を見るだけで心が安らぎます。親も子もどちらも心安らぐ場所になれればいいなと思っています」と森野さん。親子が行きやすく心休まる居場所が奈良県内に増えることを願っていました。

 

もりのいりぐちで羽休め

 

開催日時

第2、第4水曜日 10時~12時
※日程変更の場合はLINEでお知らせ

対象

学校に行きにくさを感じる小中学生とその親

料金

初回体験1人500円
1人2000円(家族追加1人1000円)

住所

奈良市平松1丁目27-12

WEBサイト

http://picnic-memo.com/portfolio/15-2

SNS

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備考

予約・問い合わせはもりのいりぐち公式LINEより

 

※このページの内容は2023年8月25日現在のものです。

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