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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.25「貧血」にお悩みの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに応えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は、ついつい見過ごしてしまいがちな「貧血」についてのお話です。

 

 

元気の源である血液を健康づくりの基本に

 

 「立ちくらみ」や「めまい」が起きたとき、「貧血」を意識されることもあるかと思います。貧血は、主に鉄分不足が原因ということをご存知かと思いますが、日常生活に支障がない程度であれば、"ただの貧血" くらいの認識で、つい見過ごしている方もおられるのではないでしょうか。
 特に、女性は生理による定期的な出血や妊娠・授乳などにより貧血傾向になりやすく、20~40代の日本人女性の6割以上に鉄欠乏性貧血がみられます。「かくれ貧血」といわれる自覚症状のない検査値上の貧血も含め、思い当たることがある人もない人も、今一度向き合ってみられることをおすすめします。

 

鉄分が不足すると体が「酸欠状態」に

 貧血とは、血液の中の「ヘモグロビン」が不足していることをいいます。血液中の赤血球にあるヘモグロビンというタンパク質には酸素を運搬する働きがあり、これを構成する成分の一つが鉄なのです。
 つまり、鉄を材料として作られたヘモグロビンは酸素とくっつき、全身へ酸素を送り届ける役割を持っているのです。身体機能を維持するために必要な酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために鉄分が必要になるのです。
 鉄分が足りないと、働きのよくない赤血球になってしまい、全身に酸素を運ぶ働きも弱ってしまうため、体が「酸欠状態」になってしまいます。
 貧血だと体は「酸欠状態」になり、さまざまな不調があらわれやすくなります。
 貧血の症状例としては、どうき、息切れ、頭痛、倦怠感、めまい、立ちくらみ、眠気、集中力低下、耳鳴り、口内炎、口角炎、味覚異常などがあげられます。

 

赤血球を作る力の不足や消耗が大きいことで貧血に

 貧血の原因は、おもに
①作る力が不足:赤血球(ヘモグロビン)を増やすことができない
➁消耗が大きい:赤血球(ヘモグロビン)が減ってしまう
の2つがあげられます。

 

 血液は骨髄でつくられ、全身に酸素や栄養分、ホルモンなどを運び届ける役割がありますから、①では、血液を作るために必要な栄養が不足していたり、骨髄や腎臓の病気により正常な造血機能が損なわれていたりなどが要因となります。
 ➁では、過多や頻発など月経異常、子宮筋腫や子宮腺筋症など婦人科系疾患、胃・十二指腸潰瘍やがんなどの病気による出血のほか、溶血性貧血といわれる激しい運動や免疫や感染などで赤血球が破壊されるものも要因となります。

 

日々の食事で栄養をバランスよく摂って

 日々の食事から血液を作るための栄養をバランスよく摂りましょう。
 赤血球やヘモグロビンの材料である鉄・亜鉛・葉酸・ビタミンB12などの栄養素を含むとされる食材(一例です)を挙げます。

鉄: 小松菜、ホウレン草、きな粉、湯葉、ごま、切り干し大根、きくらげ、ひじき、のり、レバー(豚・鶏)、あさり、ココアなど
亜鉛:牛肉、豚レバー、チーズ、牡蠣(かき)、するめ、小麦胚芽、かつお節など
葉酸:ブロッコリー、海藻類、レバー、大豆類など
ビタミンB12:しじみ、あさり、レバー(鶏・牛)、白鮭、煮干し(かたくちいわし)など

 

 鉄分や栄養素が大切なことは理解しているものの、栄養バランスのとれた食事を心がけても、サプリメントで栄養補給しても効率が上がらない方は、土台である体そのものから働きやバランスを整えることをご提案します。

 

漢方では生活習慣を整えることが基本の考え方

 漢方では、「血(けつ)」は血液だけでなく、筋肉や臓器、ホルモン、骨、皮膚、髪の毛、爪などの原料として生命を支える物質と位置づけられ、食物を胃腸で消化吸収し、作られた血は「肝」で貯蔵されると考えられています。
 栄養血が量的にも質的にも不足した状態を「血虚(けっきょ)」といい、一過性でなく長年の体質として健康に影響します。

「血虚」の症状例
全体:疲れやすい、冷え性、便秘、胃腸虚弱など
生理:経血量が少ない、経血の色がうすい、生理痛など
爪:爪が割れる、ツヤがない、二枚爪など
髪:抜け毛、髪の毛が傷みやすい、白髪が多いなど
思考:物忘れ、ふらつき、集中力や思考力の低下など
目:かすみ目、ドライアイ、疲れ目、眼精疲労、など
肌:肌に艶がない、顔色がさえない、乾燥、かゆみなど
睡眠:寝つきが悪い、眠りが浅い、夢を見ることが多いなど

 

 漢方では、生活習慣に重きを置く基本がありますので、睡眠を十分にとり疲れをためないこと、食事は過度のダイエットなどで栄養不足や偏食にならないように注意すること、栄養を取り込む胃腸が弱い方は胃腸(=「脾」といいます)を元気にすることや、貯蔵庫である「肝」はストレスに弱いことからイライラしたり忙し過ぎたりしない工夫も大切です。
 「気(き)・血(けつ)・水(すい)」がスムーズにめぐる状態を元気=健康が維持されると考えられおり、どれかひとつでも過不足が生じたり、偏ったり、滞ったりしてバランスを崩すと不調や病気につながるとされています。

 血液の不調は、日々の不調に直結しているといえるのではないでしょうか。元気の源である血液を健康づくりの基本として見直してみてください。

※このページの内容は2024年1月19日現在のものです。

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