怒りやイライラと上手に向き合おう ーアンガーマネジメントで心理トレーニングー

子育ての中で、子どもの行動や言葉に対してイライラしたり、感情的に怒ってしまった経験はありませんか。そして怒った後「どのように対応すればよかったのか」と悩む人も多いと思います。「怒る」感情との上手な向き合い方について、アンガーマネジメントキッズインストラクタートレーナーの中西弘典さんに聞きました。
怒りは人の自然な感情
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれたとされる心理トレーニングで、日本では2010年ごろから普及し始めました。怒らなくなることではなく、怒りで後悔しないことです。自分の怒る基準を明確にして、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようにすることを目指します。
怒りを記録してみる
最初は、自分を知るために、いつ、どこで、どのような怒りを感じたか記録してみましょう。できれば、怒りを感じたらすぐに記録し、怒りの強さも点数化してみましょう。1週間ほど続けてから振り返ってみると、怒るタイミングやパターンなど怒りの傾向が見えてきます。
価値観や固定観念を選別する
怒りの傾向が分かってくると、怒らせる正体が見えてきます。実は、私たちを怒らせる正体は「〇〇すべき」という、自分が持っている価値観や固定観念を裏切られた時に発生します。
例えば、子どもが宿題を終わらせていなかった時、「まだ宿題終わってないのね。早くしなさい」と怒ってしまった経験はありませんか。これは「宿題は帰ったらすぐやるもの」という親の価値観を子どもに裏切られたために発生した怒りです。
6秒ルールで冷静に
では、怒りをどのようにコントロールするか。アンガーマネジメントでは怒りの衝動をコントロールするために「6秒ルール」があります。これは、怒りを無くすためではなく、怒りの内容を適切な言葉や行動で伝えるために冷静になるための時間です。売り言葉に買い言葉で、何の考えもなしに言い返すと、後悔する可能性が高くなります。深呼吸したり、落ちつく言葉を唱えるなど自分なりの方法を探してみましょう。
叱るときは明確に
叱るときに大切なのは、基準が明確であることです。例えば「すぐ」と聞いて、1分以内と思う人もあれば、10分以内と思う人もあります。「しっかり」や「ちゃんと」も同じです。「〇分までに」「〇ページまで」など、明確な表現を心がけてください。
また、言葉づかいや態度も大切です。相手や自分を傷つける言葉は使わないでください。物に当たる、壊すといった行動も控えましょう。
家族の話し合いを大切に
夫婦や親子であっても、考え方は異なるので「怒り」の基準も違ってきます。特に子どもに対して、お父さんとお母さんの叱る基準が異なっていると、子どもは戸惑います。
ぜひ家族で話し合う機会を設けて、少しでもストレスを軽減できるよう取り組んでみてください。

中西 弘典さん
日本アンガーマネジメント協会認定
◇アンガーマネジメントコンサルタント
◇アンガーマネジメントキッズインストラクタートレーナー
◇アンガーマネジメントティーンインストラクタートレーナー
HP:なかちゅうのお部屋(アンガーマネジメント)
※このページの内容は2025年4月4日現在のものです。