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あしたは晴れ - 親の子育てトレーニング ペアレント・トレーニング

 ペアレントトレーニング(以下、ペアトレ)は、困難な状態になった子どもの保護者に向けた育児プログラムとしてアメリカで始まったとされています。日本では、主に発達障害の子どもの保護者に対して取り入れられてきましたが、障害の有無にかかわらずどの子にも良い影響を与え、親子関係を良好にします。奈良県内で、スクールカウンセラーとして不登校・ひきこもり支援に携わってきた櫻井惠子さんにペアトレについて聞きました。

 

小さな行動から褒める

 自尊感情を高めるためには「褒めること」や「成功体験を積み重ねる」ことが大切と言われますが、「日本人は褒めることが苦手」と櫻井さん。“テストの点が良かった”“作品が入選して素晴らしい”など、結果を褒めることはしますが、それに向けた努力や取り組みの様子などを褒めることは少ないそうです。
 基本は子どもの行動を褒めること。そして小さな当たり前な行動から褒めてください。子どもは褒められると“もっとやろう”とします。もっと増やしてほしい行動や自分からやろうとしている時、よく考えている時などは、しっかりと褒めてあげましょう。

 

注意はCCQを意識して

 また日本人に多いのが「良くないところを叱って良い子にする」との、否定や叱りの考え方が根強いことです。「叱る」タイミングは、『命にかかわること』に留め、行動をきっぱり短時間で叱り、人格を叱ることはやめましょう。
 「注意」を促す場合は、Calm(おだやかに)、Close(近くで)、Quiet(静かな声で)を意識すると子どもの脳に届きやすくなります。CCQは、褒めるときにも使えるので、意識して取り入れると良いでしょう。

 

褒めたことを書き出してみる

 本格的なペアトレにはカウンセリングや講座の受講が必要ですが、簡単な取り組みを紹介します。
 子育ての忙しい中で大変かもしれませんが、「褒めた行動」「どんな風に褒めたか」「子どもの反応」を書き出して1日を振り返ってください。「あの時嬉しそうだったな」などの気づきが得られます。
 ペアレントトレーニングは、小学校高学年から中学生など、言語能力が高くなってきた年齢の子どもにおすすめです。“子どものために自分が何かできないか”と考えている人はぜひ取り組んでみてください。

 

 


【取材協力】
奈良教育大学ESD・SDGsセンター研究部員
居場所ねいらくスクールカウンセラー
橿原市教育委員会スクールカウンセラー
櫻井恵子さん

※このページの内容は2023年2月3日現在のものです。

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