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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.8「汗」にお悩みの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに答えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は「汗」についてのお話です。

 


漢方では余分な水分や汚れ、余剰な熱が要因

 

 暑い時期や運動などで体温調節のためにかく汗もあれば、気温に関係なくダラダラと汗をかいてしまう「多汗症」といわれるものもありますが、汗にお悩みの方は、気分の良い爽快感のある汗とはいえないことも多いのではないでしょうか。

 

 汗をかく1つの要因は自律神経の失調にありますが、バランスが乱れる理由は、緊張などのストレス、ホルモンバランスの乱れ、遺伝や病気、更年期症状などさまざまです。

 

 漢方では、日中に気温と関係なく出る「自汗(じかん)」と、夜間に出る寝汗「盗汗(とうかん)」に分けられます。汗の調整力が不足した状態(=「気虚」)と、潤い不足で体内に熱がこもる状態(=「陰虚」)が影響し、ストレスが過剰になり、余分な水分や汚れや余剰な熱が発生することが要因で起こると考えます。

 

 漢方の「汗血同源(かんけつどうげん)」という考えは、「汗」も「血」も、もとは体内の「津液(しんえき)」(水分や潤い)であるということを意味します。
 例えば、多量に汗をかきすぎて潤い不足に傾くと、血もドロドロと粘ってしまったり、エネルギーを消耗して気力低下につながることもあります。

 

 女性は、出産や生理による血の消耗と汗の量も連動します。


「汗」のタイプで体質の違いを知る

 

 汗のタイプによって体質を知り、体調を整えるヒントにしてみてください。

 

 汗の性状は、大きく「サラサラ」タイプか「ベタベタ」タイプに分かれます。

 サラサラタイプは、「エネルギー不足」の体質で、季節の変わり目に体調を崩しやすかったり、疲れやすいタイプと考えられます。

 また、体質的に胃腸が弱い傾向にあります。
 ベタベタタイプは、「潤い不足」の体質で、手のひらや足裏のほてりや、喉の渇きや便秘といった乾燥しやすい状態や、「ストレス」による緊張感などが関係しているタイプです。
 体質的に頭痛など血行不良や疲れをため込みやすい傾向にあります。

 

 対策としては、汗をかいたときはシャワーなどで流し、皮膚を清潔に保つことが大切ですが、神経質になり過ぎるとストレスから発汗につながることもありますので、リラックスを心がけましょう。
 睡眠不足、疲労、過度のストレス、偏食、運動不足など生活面も見直し、十分な体力を維持し、自律神経のバランスを整えることも汗のコントロールにつながります。

 

汗が気になる時におすすめの食材

 

 潤いを補い、元気エネルギーを養うはたらきが期待できるものとして、大豆、黒豆、山芋、なつめ、クコの実などがあげられます。
 また、レモンや梅などは収れん作用があり、さっぱりします。特に夏野菜には、体の中にこもった熱を冷まし水分代謝を整えるものも多く、すいか、なす、きゅうり、ゴーヤなども利用できます。


 「ただの汗かき」 にとどまらず、日常生活に支障をきたすほどになる場合は、体質を見直すことで改善のヒントが見えてくることもあります。

※このページの内容は2022年8月19日現在のものです。

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