奈良に熱中症警戒アラートが発表されにくいのはなぜ?
暑い毎日が続き、連日全国各地に熱中症警戒アラートが発表されています。熱中症警戒アラートは、環境省と気象庁が令和3年4月下旬から全国を対象に運用がスタートしました。奈良県内も暑い毎日が続いていますが、なぜか熱中症アラートが発表されにくように感じました。
全国地図で、アラートが発表された地域は赤く表示されますが、奈良県だけが穴が開いたように白くなっている日をよく見かけます。なぜかと思い、奈良地方気象台に聞いてみました。
2023年8月9日の熱中症警戒アラート発表の様子(環境省HPより)
出にくい認識はあるけど要因は不明
確かに気象台でも、「奈良は出にくい」という認識はあるそうですが、具体的な理由については不明とのこと。
地理的条件などについても尋ねてみましたが、残念ながら明確な要因を見つけることができませんでした。ただ、岐阜県や長野県も発表されにくい場所のひとつのようです。
環境省HPでは、暑さ指数について予想湿度の寄与率が大きく関係することが説明されています。「一般に、湿度が高い場所では、汗が蒸発しづらく、体内の熱を放出できなくなり、熱中症の危険が高くなることが知られています。内陸の県では、沿岸部を持つ府県と比べれば湿度が低くなるため、アラートが発表されにくいのではないか。」と考えられているようなので、奈良県に海がないことも要因のひとつかもしれません。
「暑さ指数」を上手に活用
熱中症警戒アラートは、気象庁と環境省が「暑さ指数」を基準に発表しています。より詳しい暑さ指数は、環境省のHPで確認できます(暑さ指数についてはこちら)。
その中で、日常生活に関する指針では、暑さ指数31は「危険」に分類され、すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があるとしています。
熱中症警戒アラートの発表は、暑さ指数が33以上です。例えば、暑さ指数が32.4の場合、熱中症警戒アラートの発表はありませんが、指針では、すべての生活活動の中で熱中症がおこる危険性がある状態となってしまいます。
「熱中症警戒アラートが発表されていないから大丈夫」ではなく、暑さ指数を上手に活用して、熱中症予防を心がけてください。高齢者や体調不良の人、小さい子どもは特に注意が必要ですし、健康な人でも油断は禁物です。しっかりと体を守るための行動を考えましょう。
【取材協力】
奈良地方気象台
奈良市西紀寺町12-1
Tel:0742・22・4445
HPはこちら

■環境省熱中症予防情報サイトはこちら
※このページの内容は2023年8月10日現在のものです。