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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.15「妊活」にお悩みの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに応えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は「赤ちゃんが欲しい」と願っているご夫婦に、妊活を後押しするお話です。

 

 

ストレスフリーな妊活のすすめ

 

 妊娠に向けてさまざまな取り組みをしている方に、少し違った視点から妊活の後押しをご提案してみたいと思います。
 生活習慣の見直しや食事の工夫、適度な運動、といった日常の取り組みだけでなく、不妊治療を受けたり、サプリメントや補助療法を取り入れたりしている方も多いのではないでしょうか。
 「赤ちゃんが欲しい」と願うご夫婦の妊活は、ご夫婦の数だけのタイプがあり、状況に応じて適切な選択をすることが大切です。

 それぞれに異なる状況であっても、共通しているのが「ストレス」です。
 何人目のお子さまを希望されていても、不妊治療の有無にかかわらず、年齢的に余裕があってもなくても、希望が叶うまでの妊活期間は、以前に比べて「ストレス」が大きくなることでしょう。

 

 例えば、「こんなに努力しているのに……」と感情的になってしまったり、ネットや知人からのアドバイスなどを実践しようと頑張り過ぎたりしている様子も見受けられます。
仕事をしながら、通院時間を確保しながら、決められた通りにアレもコレも忙し過ぎる毎日に疲れてしまっている方からのご相談もあります。

 結果に恵まれないことでイライラしたり焦ったりして情緒不安定になり、それが原因となって体調にも影響を及ぼすケースも少なくありません。
 日常生活のストレスに妊活のストレスが加わり、妊活中はストレスが割り増されるのです。

 

漢方では心の状態と体の状態は一対

 

 漢方では「心身一如」という理念があり、心が元気でないと体調もすぐれない、また、体調が良くない時は心も元気になれない、というように心の状態と身体の状態はともに関連し合う1対のものであるととらえます。

 例えば、精神面で追い込まれた時に生理不順になったり、生理痛がひどくなったという経験がある方もいらっしゃると思いますが、これは強いストレスにより女性ホルモンのバランスが乱れて生理に影響を及ぼしたと考えられます。
 早く妊娠したいという気持ちが強くなり過ぎると、体もその緊張を反映して不自然な状態を目指そうとしてしまうこともあるようです。

 

体調を妊娠に適した状態にすること

 

 ストレスを最小限にとどめるには、ご自身の体調がより妊娠に適した状態になることが大切です。「授かる体づくり」の基本は、
①生理を整えること
②妊娠出産に必要な体力を養うこと
です。

 

①生理を整えるチェックポイント

 

・生理痛がない
・生理周期が安定している
・生理前の心身の不調がない
・経血量は多過ぎず少な過ぎず

 

◎漢方では、経血が少ないタイプは「血虚(けっきょ)」といい、貧血や立ちくらみ、体の保温力が弱い、髪が抜けやすい、爪が割れやすいなどにもサインが見られます。
 漢方薬での対処法としては「補血薬」というものがありますが、食事でも鉄分豊富なものや栄養価の高いものなどで補うことがおすすめです。
(例)こまつな、ほうれん草、きくらげ、黒豆、赤身の肉など

 

◎経血が多くドロッとした塊が混じるタイプは「瘀血(おけつ)」といい、アザができやすい、顔色がくすんでいる、舌が暗い紫色などのサインが見られ、肩こりや下半身の冷えも慢性的です。
 漢方薬では「駆瘀血薬」というものがありますが、ふだんから水分不足にならないよう注意して適度な運動やお風呂で温まるなど血行促進を心がけるとよいでしょう。
 食事では、揚げ物や甘いものを控えましょう。

 

②妊娠出産に必要な体力不足のサインとは?

 

・流産したことがある
・食後に眠気やだるさが強い
・お腹が弱い
・寝ても疲れがとれない

 

 体力不足には、エネルギーを生み出す力が弱いタイプと、エネルギーの消耗が多くて結果的に不足してしまっているタイプがあります。
 漢方薬では「補気薬」「補腎薬」などで気力や生殖に必要な精を補って妊娠力を養います。
 いずれも無理せず休養をとる時間を確保しながら、睡眠不足や偏食にならないよう心がけましょう。

 

「気のめぐり」を整えて体調も安定

 

 漢方相談の場で、意外に多いお悩みが「ご夫婦の感覚のズレ」です。
 妊娠を願ってはいても、ご夫婦の足並みがそろわず互いにストレスを感じながらお過ごしの方も多いようです。
 孤独感や気遣いとの闘いのようになり、余裕がないと、互いにコミュニケーションをとる余裕もなくなってしまいます。
 理屈抜きに心のモヤモヤを打ち明けるだけでホッと心が和らぎ、積極的に漢方で「気のめぐり」をととのえることで体調も安定します。

 いろいろ試してみたけれどうまくいかない方は、これまでとは違うアプローチを検討されるのもひとつかもしれませんね。

※このページの内容は2023年3月17日現在のものです。

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