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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.11「寒暖差」にお疲れの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに答えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回はこの時期に多い、「寒暖差」に疲れを感じる方に読んでいただきたいお話です。

 

 

生命活動の原動力である「気」の弱りや不足

 「気温差が大きい時期に起こる不調」は、「気象病」ともいわれます。病院での診察や血液検査でははっきりとした原因が見つからないこと多く、原因がわからないことで不安が増すという声も聞かれます。

 

 気温や気圧の変化が激しいと、なぜ体調を崩すのでしょうか。

 一般的には「自律神経のバランスの乱れ」が要因とされることが多いようですが、漢方的なとらえ方としては、生命活動の原動力である「気」の弱りや不足にあると説明されます。

 

 その中で、外的要因から防御し体調を一定に保つ働きを「衛気(えき)」といい、ウイルスなどの病原体や花粉などの異物や気温変化などによる刺激から守っています。
 原動力である「気」が充実していれば、「衛気」もしっかりと機能するというわけです。
 「気」は物体として確認できるものではありませんが、体調トラブルによって気の過不足を推測することが漢方相談の指標となります。
 つまり、「気」は、有り余り過ぎても、足りなさ過ぎても体調に不具合を引き起こしてしまいます

 たとえば、寒暖差に振り回されないよう、毛穴を開閉して体温調整をおこなうなどに多くのエネルギーを要すると「気」を消耗し、衛気の低下につながり、風邪をひいたりアレルギー症状が出たりしやすくなるのです。

 

 このように、体調を守り維持する力が不足した状態を「気虚(ききょ)」と体質的に分類しています。
 「気虚」体質のサインとしては、基本的に冷えやすく、慢性的な疲れやだるさが続き、めまいや立ちくらみ、息切れなど体力不足の傾向がみられ、食欲や便通など胃腸の働きが不安定、などがあげられます。

 

「元気」を出すために日々の養生を

 では、どのようにして「気」は生成されているのでしょうか。
 気は食物の消化を担う「胃」で作られると考えられており、気の充実には、胃の状態を整えることが大切であるといえます。量的にも質的にもしっかりと食事で栄養を摂ることが「元気」を生み、食べ過ぎて胃の働きが弱ってしまったり、栄養が不足していると「元気」も出ないということなのです。

 

 元気は日頃の養生によっても充実することができます。

 

◎胃腸にやさしい食事
⇒生食を控え、火を通したものを優先しましょう。熱すぎず冷たすぎず、体温より少し高めの温食で体の中から温めると血行促進にもつながります。

 

◎お肌にやさしい衣類
⇒季節に合わせて快適な服装を心がけましょう。寒暖差の大きい時は上着で調整することも大切です。

 

◎お風呂でリフレッシュ
⇒シャワーだけで済まさず、熱すぎない温度で血行を促進。長風呂や汗のかき過ぎは逆効果になることもあるので、要注意です。

 

◎睡眠でリセット
⇒眠っている間に蓄えられたエネルギーが日中の活動を支えます。
スマホやパソコンなどは、寝る前2時間くらいまでに終えて休息の体制を整えたいものです。

 

      ☆ ☆ ☆

 

 忙しい毎日の生活で、知らず知らずのうちに「元気」を生み出すよりも消耗することの方が多くなっていることで、外的な刺激への適応力が足りなくなっているかもしれません。
体質はすぐに変わるものでもありませんが、日々の積み重ねによりつくられるものでもありますので、少しずつ意識しながら整えていきましょう。

※このページの内容は2022年11月18日現在のものです。

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