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漢方養生で日々健康~体質を知るともっと元気になれる~vol.13「痛み」にお悩みの方へ

 漢方理論をもとに女性の悩みに答えてきた一陽館薬局のかしたに陽子さんに、健康を保つ秘訣を聞く連載企画。今回は日常生活に密着した「痛み」にお悩みの方に読んでいただきたいお話です。

 

 

「気・水・血」の流れをスムーズにすること

 

 痛みといってもいろいろな痛みがありますが、その中で、医学的な治療の対象ではないもの、日常生活に密着したもの、という観点から足腰や筋肉などの痛みについてご紹介したいと思います。

 治療を必要としない程度ではあっても、毎日の生活で動こうとした時にいちいち痛みを感じるのは困りものです。
 強いうずくような痛みを「疼痛」といいますが、「疼」は"やまいだれ"に冬と書くように、冬に痛みが悪化しやすいことを示しているのがわかります。
 ズキズキと刺し込むような痛みとして、「関節痛」「神経痛」「腰痛」「筋肉痛」「五十肩」など、寒くなると辛いという声も多くなります。

 

 痛みの悩みは個々人によって異なりますが、おおまかに分類して対策を考えていきたいと思います。

 

①冷えると痛むタイプ

 寒冷の刺激により、関節や筋肉の動きが悪くなったりこわばりや腫れが生じます。ふだんから足腰が重だるく、天気が悪く湿気が多い時に悪化することもあります。
 冷えない対策を心がけ、温かくして過ごすことが大切です。
 特に冷えやすい冬場は、温かい飲み物や鍋物、葛湯やしょうが湯など体の中から温めるものがおすすめです。

 

②慢性的な血行不良による痛み

 年間を通じていつも同じ場所が痛く、キリキリとギューッと刺すような痛みが続きます。生理痛もこのタイプです。
 血行不良体質のうえに冷えが加わることで、さらに血行が悪くなるという悪循環により痛みもひどくなります。
 軽い体操やマッサージなどで血行を促進したり、お風呂でしっかり温まるのもおすすめです。

 

③加齢による体力低下とともに起きる痛み 

 体力減退にともない筋力も低下すると、関節を支える筋肉も減って、温熱を生み出す力や保温力も弱るために慢性的な痛みにつながりやすくなります。
 足腰の衰えや物忘れや耳鳴りなど身体機能の衰えを感じることも多くなります。
 散歩など軽めの運動を取り入れながら、しっかりと食事で栄養をとり、若々しさをキープしていきましょう。

 

保温力や代謝を高めて滞りにくい体質に

 

 「痛み」の根本原因は、漢方では血行不良による炎症であるととらえますが、その要因として「冷え」が関係して「気・血・水」の流れが滞ってしまうことが挙げられます。
 つまり具体的には「冷たい温度」「血行不良」「むくみ」が痛みにつながる要素といえます。
 ですから、痛みを抑えるだけでなく、保温力や代謝を高めて"滞りにくい体質"に整えることで痛みの緩和や予防をめざすことが大切なのです。

 「痛み」も痛み止めで対応できるうちは日常生活にも支障はないかもしれません。しかし、「痛み」を日々の無理の積み重ねからのサインと受けとめ、逆らわずにバランスの修正を重ねることで本来のめぐりのスムーズさを取り戻そうとすると、ある程度の時間を要する場合もあります。
 この考えから、予防として常に安定した状態を保つ目的で生活養生のひとつに漢方を取り入れたり、違和感を感じたら早めに対策をとることが、時間がかからない秘訣でもあります。

 

 漢方では、自然界の「寒邪」(=冷え)や「湿邪」(=湿気)が体内に入り込み、「気・血・水」の流れを滞らせることが痛みの増悪に関係しているため、対策として、痛みそのものを抑えるだけでなく、「気・血・水」の流れをスムーズにすることが大切だと考えます。

 日ごろの生活習慣や食事の見直しなどに加え、適した漢方を利用して根本的な体質改善をめざしましょう。

※このページの内容は2023年1月20日現在のものです。

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